トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
いい絵本には、やはり不思議な力があるんだなあと思います。
今読んでいる放課後等デイサービスの実践本(ゆうやけで輝く子どもたち―障害児の放課後保障と実践のよろこび)の中に出てくる女の子は、特別支援学校小学部4年生。自閉症で知的障害もあると思われる子です。
自分の感情をうまく抑えることができません。砂遊びで手が汚れたことを指摘されると、全身ずぶ濡れになるほど水を浴びてしまいます。送迎バスの中でお漏らしもします。
職員たちは、女の子の不可解に見えるいくつかの行動を、まるでジグソーパズルをあてはめるようにつなぎ合わせていきます。あの時は、こうだったああだったと分析していくうちに謎に見えた行動にもちゃんとわけがあることが判明します。理由がわかると対策も立てられるようになります。
いくつかの対策の中に、熱中できるおやつ作りや人間関係を学べる環境作りがあり、そのどれもが女の子を落ち着かせるのに功を奏します。
ひとつだけ、功を奏さなかったのが絵本です。
女の子は、赤ちゃんを見ると叩きたくなる衝動(のちになくなる)があったので、赤ちゃんがミルクをもらったり、おむつを替えてもらったりして泣き止む絵本を与えました。
でも、彼女はその絵本には見向きもしませんでした。
関心を示したのは『さっちゃんのまほうのて』(たばた せいいち/先天性四肢障害児父母の会)と『わたしとあそんで』(マリー・ホール・エッツ・文/与田準一・訳)でした。女の子が理解するには難しいと職員たちが思っていた本です。たまたま本棚にあったのを女の子がみつけたのでした。
この2冊は、絵本の名著でありロングセラーです。
これらの絵本に、女の子は友だちの名前を書きみました。それほど絵本の世界に入り込んだのです。
職員たちは、赤ちゃんの絵本を選んだ自分たちを「”即物”的な思惑は見事に失敗した」と本で述べています。
いわゆる「しつけ絵本」の類は、大人の都合でつくられていることが多いので、子どもの心には届かないことがあるんじゃないかと思いますね。
よくできた絵本には、そうした小手先のたくらみはありません。絵本の世界に子どもを招き入れてしまう不思議な力があるように思います。これは障害があるなし関係ないですね。
理解できるかどうを決めるのは、大人ではなく、子どもなんですよね。本棚の本も子どもが育つうえでの環境の一部なんだと、女の子の話を読みながら感じました。
トビラコ店主より
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