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8年前に取材した記事、
「『できないこと』をがんばるより、『できること』を伸ばせばいい」
が、昨日よく読まれていました。
なぜだろうと思ったら、この記事に登場した高梨智樹さんが、朝日新聞の記事になっていたのです。
「読み書き障害から売れっ子ドローン操縦者に やりたいことで自立する」
高梨さんは、読み書き障害のなかでもかなり重度で、ほとんど文字の読み書きができません。
でも、早い時期からパソコンに親しみ、音声入力や読み上げソフトを使っていました。
小さい頃の話が、とても印象に残っています。
好きなことになると、とことんやる子だったそうです。
幼稚園では、砂場で穴を掘ることに夢中になっていた。
保育士さんは、「地球の裏側まで掘っちゃえ」と、そばで見守っていたそうです。
お母さんが迎えに来ると、
「なんで、もっと遅く迎えに来なかったの!」
と怒ったとか。
もっと掘っていたかったのですね。
高梨さんは体も弱かったそうです。
だから、お母さんは、「できないことを頑張らせる」より、本人が夢中になれることを大事にしていました。
外で遊べない分、本人が目を輝かせるものを買っていたそうです。
それが結果的によかったのだと思います。
高梨さんは、おもちゃを分解して、動く仕組みを知るのが大好きでした。
家にあったお父さんのラジコンを改造して遊び、中学生になる頃には海外からドローンを輸入するようになっていました。
そして、ドローンの大会で優勝。
その後、お父さんと一緒に会社まで立ち上げています。
お母さんは、読み書き障害について詳しかったわけではありません。
10年以上前は、今ほど情報もありませんでした。
でも、「この子が好きなことをさせたい」という気持ちを大切にしていました。
「できないこと」を頑張らせるより、「できること」を伸ばしたほうがいい。
そう考えていたそうです。
これは、障害のあるなしに関係なく、子育ての本質なのかもしれません。
もちろん、障害について詳しく学び、その子に合った環境を整えて、子どもが安心して育っているケースもたくさんあります。
その一方で、障害についてとても勉強していても、親子ともに苦しくなってしまっているケースも、私は見てきました。
障害について詳しいことは大事です。
でも、それ以上に大事なのは、
「わが子に詳しいこと」
なのではないでしょうか。
この子は、どんな時に目を輝かせるのか。
どんな時に笑顔になるのか。
何に夢中になるのか。
高梨さんのお母さんは、障害についての専門知識はなかったかもしれません。
でも、「わが子」にとても詳しい人だったのだと思います。
トビラコ店主
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