トビラコへようこそ
~店先で、ちょこっとおしゃべり~
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発語があまりない。発語があっても、何を言っているのかわからない。
こういう子が発する言葉を理解する方法があれば、知りたいです。
妹が、まさにそれです。
もちろん、理解できる言葉もあります。
「ハンバーグ」であったり、「買い物」であったり。
で、よくわからないときには、妹が言っていることをこちらも繰り返してみると、わかることがあります。
あるとき、一緒にタクシーに乗っていたら、妹が空を指さして、
「アメ、カッケ」
と言いました。
「?」
はて、なんだろう。
空を指さしているのだから、「アメ」は「雨」だということはわかります。
でも、「カッケ」がわからない。
すると妹は、(ああ、わからないかな〜)という顔で、私に向かってもう一度、
「アメ、カッケ」
と繰り返すのです。
(わからないよ)
と思いつつ、私も、
「カッケ、カッケ」
と繰り返しました。
すると、あることに気づきました。
「カ」と「ケ」の間に、もうひとつ音が隠れているような気がする。
「カッケ」「カッケ」「カッケ」……
何度も口にするうちに、「ラ」の音が隠れている気がしてきました。
「カラッケ」です。
今度は、
「カラッケ、カラッケ」
と繰り返してみる。
すると、「ケ」の前にも、もうひとつ音が隠れているような気がしてきました。
「オ」です。
結論を急ぎます。
「カラッオケ」。
「カラオケ」だったのです。
そして、わかりました。
「カラオケで『あめあめ、ふれふれ、かーさんが』を歌った」
と言いたかったのです。
「カラオケで、あめ、あめ、ふれふれ、かーさんが、を歌ったんだ」
と言ったら、妹は(ようやくわかったか)という顔で、目を輝かせました。
そうか。
何回も口の中で転がすように繰り返していると、わかることがあるんだ。
そのときに発見したことでした。
ところが、これがいつもうまくいくとは限りません。
先日は、妹からかなり難易度の高いお題が出ました。
文字にするのが難しいのですが、
「ギョンザ」。
「ギ」は「ゲ」にも「ケ」にも聞こえるし、「ザ」は「サ」にも聞こえます。
何度、口の中で転がしても、わかりません。
仕方なく、
「ギョンザは、餃子ではないか」
という、かなり無理やりな結論を出しました。
そして餃子を作って、妹と食べました。
食べながら、これでよかったのだろうか、という気がしました。
妹も、
(わかんないかな。なんで餃子?)
と思っているかもしれません。
重大なことを伝えようとしていたのかもしれないし、本当に「餃子」だったのかもしれない。
「ギョンザ」は、私の宿題になっています。
トビラコ店主
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