トビラコへようこそ
~店先で、ちょこっとおしゃべり~
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ここから先は、トビラコ店主の店先おしゃべりです。
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休日のバスは家族連れが多くて、見ていて飽きません。
昨日は、お父さんの膝の上で、2、3歳くらいの女の子が絵本を読んでいました。
ページの真ん中には、大きな犬の顔が描かれています。
でも、女の子が見ていたのは、その犬ではありません。
ページのタイトルの横に、小さく描かれた犬でした。
その小さな犬を指さして、何やら一生懸命お父さんに話しかけています。
そういえば、妹も『はじめてのおつかい』を読んであげたとき、主人公の女の子ではなく、
奥の部屋のベビーベッドで寝ている赤ちゃんを指さして、「あかちゃん」と言ったことがありました。
同じページを見ていても、同じものを見ているとは限りません。
どこに目が向くかは、人それぞれ違うのです。
自閉症の子どもたちが、どれほど細かなところを見ているのかを教えてくださったのは、自閉症研究の第一人者、内山登紀夫先生でした。
例えば、木が生い茂った写真を見せると、「木がある」とは見えず、一枚一枚の葉っぱや、その葉脈に目が向く子がいるそうです。
全体ではなく、部分が大きく浮かび上がって見えている。
そんなふうに世界を見ている子もいます。
バスのお父さんは、女の子が小さな犬を指さして話しているのを、ニコニコしながら聞いていました。
「犬はこっちだよ」と、ページの真ん中を指さすこともしませんでした。
女の子はうれしくなったのか、犬のまねをして唇をとがらせています。
もし、お父さんが「ほら、犬はこっち」と教えていたら、その子は犬のまねをしていなかったかもしれません。
お父さんは、特に「教育的」なことはしていたわけではなく、娘さんが喜んでいるのを、うれしそうに見ているだけでした。
子どもは、大人が思っている以上に、自分だけの世界を見ています。
その世界を一緒にのぞいてみると、違った世界が見えてくるのではないでしょうか。
トビラコ店主
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