トビラコへようこそ
~店先で、ちょこっとおしゃべり~
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ここから先は、トビラコ店主の店先おしゃべりです。
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耳が遠くなった叔母と一日つきあってわかったことがあります。
よく聞こえていなくても、わかったふりをすることがある、ということです。
「来週の土曜はクリニックだよ」
と言うと、
「うん、うん」
と頷く。
わかっているのかなと思ったら、わかっていませんでした。
そこで、カレンダーに書き込みました。
わかっていないのに頷く。
この話、どこかで聞いたことがあるなと思ったら、特別支援学級の先生から聞いた話でした。
特別支援学級に通っていた小学5年生の女の子がいました。
人の話を理解できていないことから知的障害があると考えられていたそうです。
ところが、ある先生が、
「もしかしたら、この子はよく聞こえていないのではないか」
と気づきました。
きちんと検査したところ、極度の難聴だったことがわかったそうです。
女の子は、よく聞こえていなくても、まわりの雰囲気に合わせてわかったふりをしていたのだとか。
家族は難聴に気づかなかったのかな、と当時は不思議に思いました。
でも、最初に「知的障害」と判断されると、その後の行動もすべて「知的障害だから」と見てしまうことがあるのかもしれません。
先生が気づいてくれて、本当によかったと思います。
発語がない、言葉が遅いと心配する親に、言語聴覚士さんたちが伝えていることの一つに、
「聞こえているかどうかも確かめてほしい」
ということがあります。
たとえば、背中越しに名前を呼んだ時に振り向くかどうかも、一つの手がかりになるそうです。
耳が遠くなった叔母とクリニックや携帯ショップをまわっていた時のことです。
「耳が遠いと、騙されているんじゃないかと思うことがある」
叔母が、ぼそっと言いました。
この日は私が叔母の耳元で、相手の話を大きな声でゆっくり伝える「通訳」をしていました。
すると叔母はすっかり安心した様子で、昔の叔母に戻ったようでした。
叔母は、とても面倒見のいい人でした。
親戚中から頼られ、困った人がいると世話を焼いていました。
でも、耳が遠くなった今はそれも難しくなり、
マンションではトラブルを起こして、
管理人さんのお世話になることもあります。
「トラブルメーカーになったこと」と「耳が遠くなったこと」は、
まったく無関係ではないような気がしています。
耳が遠い、あるいは聞こえないということは、相手の話がわからないだけではない。
自分の言いたいことも、相手にわかってもらえない。
そんなことが重なっていくストレスもあるのだと思います。
トビラコ店主
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