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子育てに正解はない。
これは子育て雑誌の編集者時代から、何度も聞いてきたし、私自身もそう思っています。
でも最近、ある本を読んでいて、「これが正解に近いのかもしれない」と思ったことがありました。
その本は、写真家の繁延あづささんの『鶏まみれ』(繁延あづさ著 亜紀書房)です。
繁延さんは、私が子育て雑誌の編集者時代からお世話になっている方です。
あることをきっかけに、繁延さん一家は長崎で養鶏を始めます。家族経営ですから、家族みんなが働き手です。
小学生の娘さんはひよこの世話をし、高校生の息子さんたちは鶏小屋を作る。いわゆる「お手伝い」のレベルではありません。
本書は子育て本ではありません。でも、子どもは親の背中を見て育つのだなということがよくわかります。
そのことを繁延さんに伝えたところ、
「私は子どもたちに十分構ってやれなかったことを本に書いているだけ」
とおっしゃっていました。
でも、私はそれで良かったのではないかと思うのです。
以前、子育て雑誌の取材で、ある先生からこんな話を聞きました。
「自分は親として十分できていないと思うくらいがちょうどいい」
と。
話は少し飛びます。
親の会で長く活動している方から聞いた話です。
娘さんは重度の自閉症と知的障害があります。
その方が今でも感謝している保育士さんがいました。
障害について特別詳しいわけではなかったそうです。
でも、うれしい時には一緒に喜び、悲しい時には一緒に泣いてくれた。
娘さんを「支援の対象」としてではなく、「一緒に生きる仲間」として接してくれた人でした。
だから娘さんは、その保育士さんのことがずっと大好きだったそうです。
子どもは、自分と伴走してくれた人のことを忘れません。
それは障害があってもなくても同じです。
子育てに正解はない。
でも、もし正解に近いものがあるとしたら、
子どもを「育てる対象」ではなく、「一緒に生きる仲間」として見ているかどうか。
そこにあるのかもしれません。
トビラコ店主
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