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学校の部活の人間関係というのは独特です。先輩、後輩という上下関係があります。それは教師と生徒というはっきりと線引きされたものではなく、かといって同級生という対等なものでもありません。
年齢が１つ違うというだけで、気遣いや言葉遣いなどを、同い年に対するそれとは変えなくてはなりません。たいていはマニュアルなどはなくて、なんとなくそのような空気になっていることが多いですよね。つまりASDの子にとってもっとも苦手な「空気を読む」ということが必要になってくるわけです。
そんなわけで、部活は慎重に選んだ方がよいと思います。そもそも入らなくてはいけないのかどうかも含めて考えてみてはいかがでしょうか。
学校によっては、「体験入部」という方法を取っているクラブもあります。１か月だけお試しで入ってみて、そこで決めればいいというのです。が、話はそう簡単ではありません。お試し期間の１カ月はフレンドリーに接して、いよいよ入部となったとたんに厳しくなるクラブもあると、中学のベテラン教師に聞いたことがあります。
もちろん、そんなクラブだけではなく部員を大切にしてくれるところもあるでしょう。それをASDの子が見極めるのは難しいかもしれません。
少なくとも家庭では、「部活は嫌になったらいつでもやめていい」「必ずしも入らなくてもいい」というスタンスであってほしいなと思います。「それぐらいガマンしなさい」というのはASDの子にとってはあまりにも重すぎるストレスになります。
部活なんて入らなくても、将来、困ることはまったくありません。むしろ部活に入って大変な目にあい、それが後々まで響くということはあります。無理に部活を続ける方がリスクは高いのです。
以前、ここにも書いたかもしれませんが、ASDで不登校になってしまった女の子が、近所の合唱団に入りました。音符が読めないことを団長に話すと「イタリアはそんな人ばっかりですよ」と笑い、それがどうしたと言わんばかりだったそうです。
音符が読めない子にとって学校の音楽はとても厳しい授業になります。でも、学校の外では、そんなことはなんの問題もなく音楽を純粋に楽しめる場所があります。
その後、女の子は合唱団で大活躍し、その合唱団はコンクールで賞をとったそうです。女の子が自信をつけたのはいうまでもありません。
トビラコ店主より
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