自動下書き
2017.03.26
多動な子を「じっとしていない困った子」ではなくて「よく動いて助かる子」にすることもできます。
この違いってなんなのかといえば、その子に役割が与えられているかどうかなんじゃないでしょうか。特性を活かした役割です。
じっと座って草むしりができない子に、むしった草がバケツいっぱいになると集めてまわり校庭の隅に運ぶ仕事を与えたのは、トビラコでおなじみの安部博志先生。バケツは班ごとにあるので、各班を見て回らなくてはならず、常に動き回っていないと役目を果たせません。彼にはぴったりの仕事です。「助かった」と言われて、生き生きとしていたそうです。
先日、作業療法士の大御所的存在の人の話を聞く機会がありました。大御所ですが、豪放磊落(ごうほうらいらく)を絵に描いたようなざっくばらんすぎるお方でした。その方がおっしゃるには「役割行動」(やや専門用語ですが)が人間にはとても大事で、それがそのまま療育になり、精神障害の人の回復につながるそうです。
この世に生まれてきたのは、なんらかの役割を背負ってのことで、そこに気づくかどうか。「役割」と意識せずとも、これをすることで誰かが助かったり、喜んだりしてくれていると気づいてそれができるかどうか。これが生きる支えになりますよね。気づかせる役割を与えられている人もいるかもしれません。
豪放磊落の作業療法士さんは、そのうちトビラコのサイトにご登場いただき大いに語っていただく予定です。
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『使ってみたら「できる」が増えた 発達障害の子のためのすごい道具』(小学館/筑波大学附属大塚特別支援学校主幹教諭安部博志著/トビラコ編集)重版決定!