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人と目を合わせて会話することができない。
これにはちゃんと理由があって、人の顔には情報が多すぎるというのです。なるほど、確かに顔には、目以外にもいろいろなものがあります。
それらの情報をさておいて、相手の目だけ見て話を聞くことが、なぜ難しいのか。その理由を自閉症スペクトラムの人が「発達障害を生きる NHKスペシャル取材班」（集英社）で、次のように語っていました。
「人の顔を見ることで、目・鼻・口の形、表情、ほくろなど個別の情報が一気に入ってきて、情報がまとまらなくなってしまいます。その顔の視覚情報と、音として入ってくる会話の情報の取捨選択を同時に行うことで疲れ果て、あまり話の内容を理解しないまま、とんちんかんな答えを返してしまったりする。
だから、最近では相手に失礼と思われないように、事前に伝えてから横を向いて話をさせてもらうこともあります」
当事者から聞くと、目からうろこです。
人がそうするには、必ず理由があります。目を見ないで話すという理由をこんなにも正確に言葉にしてくれてありがとう、と言いたくなります。
大人だから、言語化できます。でも子供はそれができません。人の目を見て会話ができない子、とんちんかんに答える子として他の人の目にはうつってしまいます。
大人になった当事者が、自身の特性について語ってくれることが、後に続く同じ特性を持った子とそのまわりの人への大事なメッセージになりますね。これからは当事者が自身を振り返って語り継ぐことで、発達障害への理解が深まっていくんじゃないでしょうか。
そういう意味でも、「発達障害を生きる NHKスペシャル取材班」が発売された意味は大きいですよね。
トビラコ店主より
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