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トビラコへようこそ！
「もう少し離れて」の「もう少し」は、とても抽象的な言葉です。
顔がくっつかんばかりにして話す生徒に、「もう少し離れて」と言ったら、
ものすごく遠くに離れて声が聞こえなくなった、という話を特別支援学校の先生に聞いたことがあります。
あ、今、書いた「ものすごく」というのも抽象的でした。
廊下の端から端くらいに離れたそうです。
で、その先生は、ご自分の説明が曖昧だったと気づき、腕を伸ばしたときの長さだよ、と言い直したそうです。すると、その生徒は自分の腕を伸ばして、きっちりその長さだけ離れたといいます。
「〇〇してもらっていいですか」。
これも伝わりにくい言葉だと、ある放課後等デイの職員に教えてもらいました。
放課後デイで撮影させていただいた時のことです。
モデルになってくれた子供に「このパーカーを着てもらってもいいですか」と聞きました。
職員から、その言い方だと「着た方がいいのか、着なくてもいいのか」がわからないと言われました。
着てほしいなら「着てください」。着てほしくないなら「着ないでください」。これが伝わる言い方です、と言われました。確かにそうですよね。「〜してください」「〜しないでください」は、気持ちがいいくらい伝わりますよね。
「〇〇してもらってもいいですか」は、もってまわった言い方ですし、微妙な空気を読まなければいけない言葉でもあります。
伝わらないのは相手のせいではなくて、相手の視点に立てなかったこっちのせいである場合がほとんどですよね。
トビラコ店主より
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