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トビラコへようこそ！
母（84歳）はよく先生に「失望」したり、「裏切られた」りしていました。
二人の障害児（私にとっては弟と妹）を抱え、今ほど情報もなく、療育施設も発達していなかった時代です。
話をよく聞いてくれる先生に出会うと、とことんその先生とつきあいました。先生も自分を慕ってくれる保護者の存在はうれしいものです。次第に自分のことを話すようになり、時には夫や姑の愚痴をこぼすようになりました。
年賀状、暑中見舞いのやりとり、盆暮れには届け物をしたり、そのお返しをもらったりして親交が深まります。
自分を信頼してくれる保護者なら、自分の提案も素直に聞いてもらえるだろうと先生が思うのも無理はありません。ある時、弟にもっと別のいい学校に通うことをすすめました。
先生に悪気はありません。良かれと思ってのことです。でも、保護者である母はそうはとりませんでした。「追い出そうとしている」と受けとめてしまったのです。
それまで親しかったし、卒業後もずっとおつきあいが続くと（勝手に）思っていただけに、失望は深く、そして「裏切られた」と感じてしまいました。
このような、先生とのボタンのかけ違いが時々起きていました。
先生の言い方にどこか冷ややかに感じられるものがあったのかもしれません。障害のある子を抱えて暮らしていくことに肩身の狭い思いをしていると、ちょっとした言葉に深く傷つくことがあります。
障害児教育に情熱をもち、少しでも子供に良いことを、とだけ考えている先生は、そこに気づかないことがあります。
どっちが良い悪いという話ではなく、どんなに親しくなっても保護者と先生はほどほどの距離を保つことが必要です。でないと、思わぬところで「裏切られた」という寂しい気持ちをもってしまうことになります。
今思えば、先生がすすめてくれた別の学校は、弟のためには本当に良かったのかもしれません。先生とほどよい距離を保っていれば、この提案は即座に却下されずにすんだのかもしれないなと思うことがあります。
トビラコ店主より
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