自動下書き

2018.07.21

トビラコへようこそ！

自分と周囲との境がなくなる。自分がまるで液体でできているようになる。
言葉を失ったことで、人の表情を深く読み取ることができるようになった。

脳卒中で左脳の機能を失った人の話を、たまたまつけたテレビで放送していました。
語っていたのは、ハーバード大学で脳科学者として活躍するジル・ボルト・テイラー博士。脳卒中で左脳の機能を失った時にこのように感じたといいます。

テイラー博士の脳卒中の話は有名だそうです。トビラコ店主はなんとなく知ってはいたけど、テレビで見たのは初めてです。出がけだったので、全部見ることはできませんでしたが、脳の一部を失っているからこそ感じることがあるという話に惹かれました。

テイラー博士は、言葉を失います。しかし、言葉を失うことで、逆に人の感情を読みとる能力が鋭くなったといいます。言葉を話せなくなったテイラー博士に、冷たい医師と看護師がほとんど。その中で一人だけ暖かく自分を支えてくれた看護師。

言葉よりも表情の方がはるかに多くを伝えると、語るテーラー博士。普段、私たちは、いかに言葉に支配されているかを知っておく必要があると言います。

テイラー博士の話で興味深かったのは、自分と周囲の境がなくなるという感覚、そして自分が液体のように感じるという感覚。人の体の70％だか80％は水です。だから、この感覚は間違ってはいないのですが、通常は感じることはできません。

まったくの余談ですが、トビラコ店主が父親を亡くしたときに、やはり自分が液体でできているということを一瞬ですが、強く感じました。おそらく、この時、肉親を失ったことのショックでどこかの機能が失われたのかもしれません。そして別の感覚ば呼び覚まされたのかもしれません。

知的障害の子（人）は、脳のどこかに不具合があるのでしょうが、その代わり別の機能が、じつは研ぎ澄まされていて、だけどそれを語る言葉をもたなかったり、それを発見してくれる人がいなかったりしてるけなんじゃないかと思うことがあります。

テイラー博士は、奇跡的に回復しました。言葉の支配から解き放たれたときの感覚を、言葉を持っていたから語ることができたわけですが。