自動下書き

2018.08.07

トビラコへようこそ！

発達障害であることを、本人にどう伝えるかという問題。
タイミングや言い方を間違えると、子供を傷つけることがあります。

お手本として最初に思い浮かぶのは、タレントの栗原類さんの母親、泉さんです。

類さんは、短期記憶がとても苦手な注意欠陥障害（そのほかにもいろいろと障害の特性はあるようですが）。

アメリカに住んでいた８歳の時、類さんは母親と観た映画「フィティング・ニモ」に出てくる、なんでも忘れてしまう「ドリー」をとても面白がります。

障害のことを伝えるならいまだ、と母親の泉さんは感じ「（なんでも忘れるのは）あなたもそうよ」と言います。

「本人に（障害のことを）すぐに伝える必要はないし、理解できるようになった場面で伝えるのがいい」と精神科医から言われていた泉さんですが、「理解できるようになった場面」が意外と早くきたので、そのタイミングを逃さなかったわけです。

類さんはショックを受けながらも、この映画をきっかけに自分の障害について深く理解するようになります。

伝えるのが、思春期になるとちょっと難しくて、多感な時期に「障害があるんだから、〇〇〇〇学校（学級）に行こう」というのは、アウトでしょうね。
障害はその子のせいではありません。まず、そのことをはっきりと、伝えてほしいと思います。

「うまくいっていないのは、あなたのせいじゃない」と。
それまでは「自分のせい」「自分が頑張ればなんとなる」と思ってきただろうし、思わされてきたでしょうからね。

うまくいかない原因を調べて、相談してみよう、ということを伝えてみてはどうでしょうか。

トビラコがお世話になっている堀内祐子さんは、長男のケントさんが小学校5年生の時に、次のように言いました。

「ケンちゃん、しんどい思いしてるよね？　何か理由があるかもしれないからお医者さんに診てもらったらどうかと思うんだけど」

すると、ケントさんも自分自身に困っていたようで、すんなりとクリニックに行きます。結果「アスペルガー症候群にADHDがかぶっている」と診断されました。

いちばん困っているのは本人なのです。

支援というのは、一歩間違えると「支配」になりかねません。相手が望んでいないのに、それをするのは「支配」です。

困り感を解決改善するために一緒に考えて試してみる。うまくいかなければ、別の方法を考える、そんな感じでしょうか。

余談ですが、不安の強い人ほど人を支配したがる気がします。「支配」をやめて、「一緒に考えて試してみる」をすると、不安もなくなりますよ。

トビラコ店主の母親も「子供のため」という名の下に「支配」したがる人だったのですが、根底にあるのは「不安」だったと思います。支配をやめてから、楽になったように見えます。年齢からいっても「支配」はしんどくなったともいえますが。

「支援」という言葉すら使いたがらない人もいます。安部博志先生は『「支援」から「共生」へ』というところへ向かっていますしね。