自動下書き

2018.08.11

トビラコへようこそ！

お孫さんを心配する祖父母の方から、たまにお電話やお手紙をいただくことがあります。

口を開かない自閉症の孫のために「トーキングゲーム」を買います、であったり。孫のために、何か買ってあげたいからパンフレットを送ってほしいとか。

なんとか、お役に立てているといいなと願うばかりです。

ただ、世の中、発達障害に理解のある祖父母ばかりではありません。
「甘やかしすぎ」「しつけができていない」ということを直接に、間接に言う人も少なくないと思います。

お孫さんの成長を願ってのことだと思いたいですが、やはり言われる方はつらいですよね。

なんとか理解してもらおうとしても、娘や嫁よりも自分は子育ての先輩という意識があるとどうしても聞きいれてもらえなくなってしまいます。

経験でしか語れない人には、何を言っても無駄とわりきった方が、いっそさっぱりします。過去と他人（自分の親でも）は変えられません。自分が変わるしかないんですよね。

中川信子先生（言語聴覚士で療育の大御所）は、お盆と暮の年２回なら「孫を貸してあげている」と思ったらいいんじゃないの、と著書で語っていらっしゃいます。
あ、そういう考えもあるな、さすが中川先生と感心しながら読みました。

ただ、これが同居となるとしんどいです。先日も、ここに書いたのですが、専門家の話を一緒に聞きにいくなどして、なんとかわかってもらえるような働きかけは必要ですね。第三者の話なら、聞き入れてくれるかもしれません。

トビラコ店主が編集者時代に出した、発達障害に特化した雑誌の別冊には、いろいろな方からお葉書をいただきました。その中で「祖父母にも理解してもらえました」というお礼のハガキが届き、これは本当にうれしかったですね。

「お金ならいくらでも出すから治してあげてと、母に言われました」というおハガキもいただき、ご本人が困惑している様子が目に浮かびました。

それでも、「育て方のせいではない」と、わかっていただいただけも、よかったなと思いました。

一方、発達障害については何も知らなくても、「〇〇（子供の名）は、虫のことならなんでも知っていて、すごいなあ」と感心しながら、孫を可愛がってくれるというおじいさんの話も聞いたことがあります。

他の子と少しくらい違っていても気にならずに、その子の「すごいところ」を発見できるインクルーシブなおじいさんって、いいなあ。

あの手、この手を尽くしてもわかってもらえずに、子供のことでかなりこじれてしまうようなら同居の解消はありですよね。こじれは、憎しみに変わることがあります。

「いい娘」「いい嫁」である必要はなく、憎しみが生まれそうなところにはなるべく近づかないという選択は、子供のためにも自分のためにも大いにありです。

トビラコ店主より

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