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不安の種類というのは、じつにさまざまです。
想像もつかないことで不安を抱く子がいます。
以前、たまたま発達障害のセミナーで一緒になった親子がいました。セミナー終了後のことです。お母さんがトイレに行きたいけど、子どもをひとりにできないというよくある状況だったので、私が子どもを見ることを申し出ました。3、4歳くらいの男の子です。
お母さんが戻ってくる姿がみえたので、「ママ、戻ってきたよ」と男の子を抱き上げたら、急にその子が不安そうな顔になりました。抱き方が悪かったのかなと思って、急いで男の子を地面に下ろしました。
するとお母さんが、とても申し訳なさそうに「うちの子、地面から足が離れるのが苦手なんです」と言いました。
その時は、そういう子もいるんだなと思い 、こちらの想像力のなさを反省しつつ、お母さんにあやまりました。
「地面から足が離れると不安」。このことが頭のどこかにずっとこびりついていました。そして先日、ようやく理由がわかりました。
「重力不安」です。
慣れない姿勢になったとき、誰かが自分の動きを制御しようとしたときに恐怖や不安を感じる。特に他の人に体を動かされたときに危険すら感じる。そういう特性です。
ちょうど、私たちが、極端に不安定な姿勢になって、あ、このままだと転ぶという恐怖感。こうした感覚を重力不安のある子は、「転ぶはずのない」ところでも感じるそうです。
先の「重力不安」の男の子に対して、私はまさに体を動かして危険を感じさせるようなことをしてしまったわけです。
子どもが好んで歩く縁石も、重力不安の子は恐怖が先にたち歩けません。でも、お母さんに手をとってもらえば歩けるのです。支えてもらっているから、安心なわけです。
ブランコのように揺れるものに1人で乗ることはできないけれど、お母さんの膝の上なら大丈夫です。安心できます。
重力不安は、神経系統に問題があるのだとか。だから、怖がることを無理にトレーニングさせることは逆効果。その子が自分から、ブランコに乗りたい、縁石を歩きたいというようになるまでは、親が支えるということでいいそうです。もちろん、専門のセラピストに見てもらえれば、それに越したことはありませんが。
以上は、先日からおすすめしている『子どもの隠れたすまずきを理解する 感覚統合の発達と支援』(A・ジーン・エアーズ著 岩永竜一郎監訳 古賀祥子訳 金子書房)を拾い読みしつつ、一部をご紹介しました。
子どもが不安がることには、必ず理由があります。その理由はあとからわかることが多いのですが、ともかく不安がらせないということですよね。不安は訓練で慣れるものではないと思うのです。こうすれば安心という方法をみつけることだと思います。この本、本当におもしろいので、またご紹介します。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)