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ある雑誌社から、今の仕事をするうえで、影響を与えてくれた本を5冊選ぶようにいわれました。
これが意外と難しいんですが、自分の考えをまとめるいい機会にもなっています。
何冊か選んでいて、気づいたのは「障害」の受け止め方に共感できる著者を選んでいることです。
専門家の間で使われている「障害受容」という言葉があります。我が子に障害があるとわかっても、認めることができず、でもいくつかのプロセスを経て、最終的には受け止める(受容)という使われ方です。
怒りや悲しみ、孤独を経て、新しい価値観へと転換し、それが「受容」というゴールだというのです。でも、ほんとうに、そんなにきれいにゴールにたどりつくの? と違和感を覚えました。そもそも、他人が、あの親は、障害受容ができているとかいないとかという上から目線で決めつけていいのだろうかという疑問もあります。
障害の受け止め方について、もっとも、しっくりきたのは『発達障害のある子と家族の支援』(中田洋二郎著 学研プラス)に書かれていた、コインの裏表理論です。障害を肯定する気持ちと否定する気持ちが、コインの表(肯定)と裏(否定)のように、ひとりの親の中に共存しているというのです。
「新しい価値観への転換」というよりは、「孤立感からの脱出」。著者はこのように述べています。
本書から引用してみます。
障害のある我が子を目の前にして、親としての思いは複雑であろう。「世の中に障害のある子どもがいて、当然その子どもの親がいることは理解できるが、それがなぜ自分なのか」、この問いを子どもの障害を知った多くの保護者から聞いた。その思いをかかえながら、健常な子どものいる親友の顔が浮かび、その友人にはもう会いたくないと思い、結婚に反対だった実母に合わせる顔がないと思うと、その保護者たちは語った。マジョリティーからの脱落にはこのような疎外感と孤立感が伴っている(『発達障害のある子と家族の支援』p22)。
現場で長く支援してきて、たくさんの保護者をみてきているからこその、リアリティのある言葉です。
私自身、自分の親も含め、障害のある子の親を人よりは長くたくさん見てきたように思いますが、まさにこのような感覚を多かれ少なかれどの親も持っていたように思います。子どもがとっくに成人した母は、いまだに若いママ友集団がを見ると、自分とは違う世界の人たちという目で見ていることが言動からわかります。
では、どうしたらいいのか。著者は、同じような立場の保護者同士が出会うことで、互いが成長する機会を得て、孤立感から脱出することができるといいます。
これもほんとうにその通りです。ま、正直いって「成長」しているかどうか微妙なケースもあります。でも少なくとも「孤立感」からは脱出できます。そこがもっとも大切ではないでしょうか。
療育施設で出会う同じ境遇の親同士、療育施設での出会いがなければ親の会でもいいですよね。そこが「孤立からの脱出」へと繋がります。
障害を受容できているかどうかは、どうでもいいことです。コインの裏表を抱えたままでいいではないですか。
作業療法士の木村順さんは「親に障害受容の義務なし」ときっぱり言い切ってくれます。木村順さんも現場30年、現役バリバリの大ベテランです。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)