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トーキングゲームが、11刷となりました。
2017年発売以来、途切れることなく多くの人にお使いいただいています。
トーキングゲームは、もともとはたった一人の子のために特別支援学校の先生が作りました。筑波大学附属大塚特別支援学校に、当時勤務していた安部博志先生です。
当時は、トーキングゲームという名前ではなく、「傾聴と開示」と呼ばれていました。
そのたった一人の子というのは、安部先生の学校の生徒ではありません。
IQの高い自閉スペクトラム症の青年です。学校の成績がトップクラスであったとことから、親に過度に期待されながら偏差値の高い進学校へ入学しました。しかし、クラスでコミュニケーションがうまくいかずに、学校でいじめにあい不登校になってしまいました。
彼は、やがて、心が荒れて自暴自棄の生活を送るようになり、心配した母親が安部先生に相談したのが始まりです。
最初、安部先生は、彼に先生のサポート役をお願いしました。役割があたえられることで、自暴自棄の生活から抜け出せるかもしれない。そんな思いからだったのでしょうか。しかし、彼は学校にだんだんと来なくなりました。
そこで、別の方法を考えた安部先生。彼が楽しめるよう日替わりでメニューを用意しました。その中のひとつに、「トーキングゲーム」の原型となる「傾聴と開示」のゲームがありました。質問カードに書かれている内容は、トーキングゲームとほぼ同じですが、手作りの素朴なカードです。安部先生も、おそらく、それほど期待はしていなかったのではなかったかもしれません。あくまで手立てのひとつとして「傾聴と開示」のゲームを行ったようです。でも、彼は「傾聴と開示」のゲームがすっかり気に入って、別のゲームを提案しても、「先生、また、あのゲームやろうよ」と、自分からリクエストしました。
この話は、直接安部先生から聞き、驚くことがいろいろありました。
質問カードを通して、安部先生と彼はいろいろな話をするわけですが、話していくうちにわかったのは、彼は自分の弱点や失敗を人に話してはいけないと思い込んでいたことです。
安部先生が、小学校2年生の時に教室でおもらしをしてしまった話をすると、彼は「そんなこと、人に話してもいいんですか?」と心底驚いたそうです。そこで、安部先生は、「いいんだよ、これはふたりだけの秘密だから」と答えました。この答えもさすがです。秘密にすることで、お互いになんでも話せるようになるからです。
次第に、彼は自分のつらい体験を話すようになりました。親からのプレッシャーもそのひとつ。そして親や先生への憎しみの言葉が次々に吹き出してきたそうです。
そして、吹き出すだけ吹き出したら、あとは「でも、親も先生も大変だったと思う」と相手の側にたった言葉がでてきました。
もちろん、1回だけのゲームで彼の心が開いたわけではなく、半年とか1年とかかけて、徐々に彼の気持ちがほぐれていったのでした。
トーキングゲームで、子どもから何かを聞き出そうとする人がたまにいますが、この使い方は避けていただきたいな思います。もちろん、どんな使い方をしても自由です。でも、無理やり聞き出すというのは、むしろ心が閉じてしまいます。コミュニケーションを楽しみながら、気づいたら、みんながいろんことを話していたという感じて楽しんでいただくのがいいかなと思います。
これまで、私が見ていていいなと思ったケースでは、自分の弱みや失敗を話せる大人がいることです。安部先生が、自分のお漏らしの話をしたように。大人が自分の弱みや失敗を話すと、とたんにその場がなごみます。なので、自分の失敗を子供に話せる親は、このゲームを上手にできると思いますよ。
トビラコ店主
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