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「子育て中なのに、お部屋がきれいに片づいている」のは、撮影用に片づけているから。
片づいた部屋の写真が子育て中のママたちを落ち込ませる事案が発生していたことに、編集者時代は気づきませんでした。
撮影の前日に片付けてくだる方がほとんどで、当日、みんなで片づけたこともありました。
と、ツイートしたらすごくたくさんの人から反響がありました。
雑誌や映像関係の仕事をしている人間にとって、ごくあたりまえの感覚(被写体をきれいに撮る)が、読者や視聴者を思いがけず傷つけていたり、落ち込ませていたりすることがあるんだと、改めて気づかされました。
ノンフィクションやドキュメンタリーでない限り、ありのままの部屋をそのまま撮影して誌面に掲載したり、放映したりすることは、まずないです。
見た人が「わ〜すてき!」「私もこんな部屋がほしい」「こんなふうにおしゃれをしたい」と、思っていただくために誌面をつくり、映像をみせることが、送り手の側は体の芯までインプットされてしまっているんです。
ダイニングテーブルの上のカップラーメンやポテトチップの袋は画面に入らないようにします。脱ぎ散らかされた靴下もそっとどけます。
でも、実際には誌面のようなきれいごとではすみません。敷いたばかりの布団にポテトチップスをぶちまけたり、洗ったばかりの真っ白なバスタオルにオレンジジュースを盛大にこぼしたり、床にサラダ油を塗りたくったり。それが子どもと暮らす現実です。で、そんな、我が子の「やらかし自慢」をしている親の会の人たちを知っています。彼女たちは、子どもがやらかすと、「あ、ネタができた」と思うそうです。
こぼす、よごす、散らかす。この3つの「す」で、部屋が雑然としているのが子育て家庭。雑誌の誌面はあくまで見果てぬ夢なんです。ただ、最近は見果てぬ夢というようよりは、ウソくさいと感じる人が増えたことも、雑誌が売れなくなった要因の一つなのかなあと元雑誌編集者としては考え込んでしまいましたね。
これも、子育て雑誌編集者時代の話です。
「リビングダイニングで勉強」というテーマで、いろいろな家を撮影させていただきました。その写真をある先生に見せたところ、「片づきすぎている」と一喝されました。
そこで、
私「片づいた部屋の方が、勉強に集中できるのでは? 先生いつもそうおっしゃっていましたよね」(ちょっと意地悪く)
先生「そうなんだけどね。この部屋、片づきすぎているよ」
私「すっきりしていいと思うんですけど」
先生「片づきすぎた部屋は、子どもに緊張を強いるんだよ。『散らかすな』といっているようでしょ」
私「なるほど。たしかに」
先生「温かみがない。インテリア雑誌に出てくるような部屋だと子どもがリラックスできないんじゃないかな」
これはそうだなと思いましたね。そこで、次のような見出しをつけました。
「インテリ雑誌のマネをせず、その家らしさを大切に」
雑誌を編集している人間として、矛盾しているようですが、読者の方からは「ほっとした」と言われました。
トビラコ店主
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