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聴覚過敏のことを知っていてよかったと思ったのは、妹と工事中の地下鉄コンコースを歩いていたときです。
妹は重度の知的障害があり、聴覚過敏の特性もあります。工事現場に近づくにつれてドリルの音が大きくなり、妹の体が恐怖でこわばってくるのが、繋いでいる手から伝わってきました。爆音のようなドリルの音から一刻も早く逃れたい。その一心で私の手を引っ張るのですが、引っ張った方向へ歩いても解決できないことがわかり、私は妹を抱えるようにして一番近い出口から地上に上がりました。
すると、それまでのこわばりがウソのようになくなり、表情も和らいだ妹。二人してまるで暗黒街から逃げ出したような気分になったものです。
もし聴覚過敏のことを知らなかったら、妹に恐怖を味わせたままドリルの爆音の横を通ったかもしれません。
発語のない妹の聴覚過敏に気づいたのは、机や椅子を引く音がするたびに、ビクッとしたからです。それだけではありません。妹が写っている動画を見て食器が触れ合う音にもピクっとしていることに気づきました。ああ、これが、人から聞いた聴覚過敏ってやつだと納得したのでした。
余談ですが、子どもの動画をこまめに撮ることをおすすめします。特別な日ばかりでなく、日常の何気ない場面を。遊んでいるところとか、食事をしているところとか。動画を繰り返し見ていくと、その時には気づかなかったことに気づいたりします。
聴覚過敏も含め感覚過敏は、最近でこそ知られるようになりました。でも、もっと知られていいのではないかと思います。
感覚過敏は、他にも光が眩しくて疲れやすい光過敏、味覚が過敏すぎて受け入れられる食べ物が少ない味覚過敏(偏食ではありません)、皮膚が過敏すぎて布がチクチクと感じられ着られるものが少ない触覚過敏などがあります。まだまだあると思いますが。。。。
ともかく、子どもが極端に何かを嫌がったり、怖がったりするのには必ず理由があります。その一つが感覚過敏の場合もあるんですよね。
「外の光がまぶしくて昼間は疲れるから、学校に行かなくなった子は何人かいるよ」
ある特別支援学校の先生に、こう聞いたこともあります。不登校の原因が感覚過敏と考える人は少ないかもしれません。でも、感覚過敏はその子によっては、外に出るのが苦痛になるほどつらい場合もあります。学校の給食の匂いに耐えられなかったり、教室での騒音に疲れたり。こうしたことが、わがままではなく、「感覚過敏」によるものと理解されると救われる子がたくさんいますよね。
「感覚は主観」と、ある作業療法士さんから聞いたことがあります。主観だから、自分と同じように相手も感じているわけではないということです。
トビラコ店主
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