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2017.08.21

トビラコへようこそ!
 

「編集さんが、発達障害を否定的にとらえているから、このお話はお断りしました」
 
その編集さんに本を出すようすすめられていたAさんから相談を受けたのは半年ほど前。こちらが回答する前にご自分で判断されました。
賢明だったと思います。
 
Aさん、編集者、どちらもお子さんが発達障害です。だから編集者は本をすすめたのでしょう。編集者が聞き書きをして本を仕上げるつもりのようでした。よくある作り方です。
 
Aさんの話を続けます。
 
「障害を否定的にとらえてしまうと、一緒に本を作っていてもうまくいかないと思うんです。編集さんの思いが前面に出てしまうでしょ。私は子どもの障害が可愛いと思うことだってあるんです。でもそこはカットされて、大変さばかりが強調されそうで」
 
障害を否定的にとらえるか、そのまま受け入れるか、さらには可愛いと思えるかどうかで子育ては大きく変わってきます。あ、否定的にとらえるからダメ、というんじゃないです。時間とともに人は変わっていきます。Aさんは、わりと早い段階で子どもの障害を肯定することができたのだと思います。
 

Aさんの話の続き。
 
「否定的にとらえているうちは、考え方もどうしてもネガティブになってしまって、発達障害の子の子育てはこんなに大変、まわりが理解してくれない、学校がダメという話に終始してしまうんです。私に同意を求めてくるので、あ、これは一緒に本は作れないなと思いました」
 
編集さんは子どもの障害を肯定的にとらえることができずに悶々としている時期で、本を出すことでそれを吐き出したいのだと、Aさんは感じ取ったようです。Aさんの言いたいことよりも自分の思いを吐き出すことを優先したいしたい編集者とはうまくいきません。編集さんは、まだこの手の本を出す時期じゃないんでしょうね。わが子に障害があると知って気持ちが揺れない親はいないでしょう。受け入れられない、否定したくなる。それは自然なことだと思います。
 
今は親子で講演して人気のある堀内祐子さんだってそうです。雪の降る日に、こだわりの強い息子さんに命じられてドーナッツを買いに行かされたり、本当に大変な思いをして子育てをしてきました。そんな時期、わが子を可愛いなんて少しも思わなかったそうです。でも、ある時、ふと可愛いと思えるようになって、「ケンちゃん、可愛いね」と口に出して言ったそうです。それから、です、発達障害のわが子を可愛いと思えるようになったのは。
 
障害を受け入れて肯定しても、何かうまくいかないことがあると否定したくなる。そしてまた受け入れざるを得なくなる、ということを繰り返していく人も少なくないでしょう。
 
Aさんに話を持ちかけた編集さんも、また変わっていくでしょう。ひと皮むけて、その時に編集したらきっとこれまでとは違った視点のいい本ができるのではないかと思います。

トビラコ店主より

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人気ブロガーのアマミモヨリさんが「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」をブログに書いてくれました。おもしろくて、ためになる使い方です。

http://ameblo.jp/amami-blog/entry-12282332914.html?frm_src=favoritemail

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トビラコが編集した本

【5刷決定!】『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)

発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)

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