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50歳を前に発達障害と診断されたSさん(男性)。
今だからわかる、あれは特性だったからという話です。
木琴を弾いている人の指の動きを一度見ただけで再現できるために音楽の才能があると思われていた幼稚園時代。でも、それは音楽の才能ではなく、見ただけで頭の中に複写することができるという特性だったということが、ハーモニカを習うようになったわかりました。ハーモニカは吹いている穴が見えないからです。
見ただけで頭の中に複写されるという人には、これまで何人か会ったことがあります。ある40代の女医さんは、学生時代は教科書すべてが見ただけで頭の中に入るので成績はいつもトップクラスでした。
Sさんの特性は他にもあります。匂いにとても敏感。嗅覚過敏です。
大学生時代に住んでいたアパートでは、下の人が切ったメロンの匂いもわかるし、隣の部屋の人が醤油を使ったこともわかるほど嗅覚が過敏でした。人のことも匂いで覚えているらしいです。
それくらい匂いに過剰に反応するので、食べ物となると大変だったと思います。小さい頃は好き嫌いも激しくて食べられるものがほとんどなかったといいます。
Sさんのお母さんは、とてもおおらかな方だったので息子の偏食に関しても寛大で、そのうち食べられるだろうくらいにしか思っていなかったようです。
ところが、Sさんはある時期を境に急に嫌いだったお肉が食べられるようになりました 。
遊びに来ていた友達が、母親が出したお肉を「うまい、うまい」と言いながら食べているのを見て、Sさんも一緒に食べておいしいを感じるようになったのだと言います。
目に飛び込んできた情報が何よりも優先するSさんの特性が、思わぬところで作用したわけです。
「だから、僕みたいな子は家族がおいしそうに食べていると、そのうち食べられるようになるんじゃないかな」とSさんは言います。
確かに、誰だってまずそうに食べている人のものは食べたくないし、おいしそうに食べている人を見るとつい食べたくなりますよね。
トビラコ店主より
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人気ブロガーのアマミモヨリさんが「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」をブログに書いてくれました。おもしろくて、ためになる使い方です。
http://ameblo.jp/amami-blog/entry-12282332914.html?frm_src=favoritemail
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トビラコが編集した本
【5刷決定!】『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)
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