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2023.09.24

トビラコへ、ようこそ。

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

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「ふつう」という言葉が、だんだん使いづらくなってきています。
 
特に発達障害界隈では「ふつう」という尺度を持ち出すととてもややこしいことになります。これは、悪いことではなく、「ふつう」に合わせようとして、苦しんでいる子がたくさんいることを考えると、安易に使ってはいけない言葉であることは間違いありません。
 
でも、それとは全く別の文脈で、「ふつう」の大切さもあります。
 
昨日、心理カウンセラーの東畑開人さん(『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』は名著)と精神科医の松本俊彦さんの対談をズームで拝聴したのですが、そこでお二人の話に共通していたのは「ふつう」の感覚が、いかに人を救うかというでした。
 

例えばですが、原理主義に走ってしまった組織というのは暴走します。その組織の中でしか通用しない異常な事態が発生しても、誰も止めることができなくなってしまうのです。
 
外にいる誰かが「それ、ふつうしないでしょ」とか「それ、ふつうの組織じゃないよ」という人が現れることで、ハッと我に帰ることができる人たちが出てきます。
 
卑近な例でいれば、今芸能事務所で長年行われていた性犯罪もそうだし、ネットの誹謗中傷などもそうですよね。「ふつうじゃないよ、そんな組織」とか「ふつう、そういうこと、人に言わないでしょ」という「ふつう」という感覚。
 
発達障害界隈でいえば、「〇〇を食べれば発達障害が治る」的な話。「いや、ふつう、食べ物で発達障害は治らないでしょ」という「ふつう」の感覚。補足するなら、それで発達障害が治るなら、厚労省が強く推奨するはずです。あるいは、特定の〇〇療法だけを「偏愛」して、他の療法を認めない頑なさ。〇〇療法が合わない子だっているわけです。だから「それ(偏愛ぶり)、ふつうじゃないでしょ」と言える人がいるかどうか。そういう感覚が持てるかどうかで、広い視野を持つことができます。
 
で、なぜ、心理カウンセラーと精神科医が「ふつう」にこだわるのかというと、カウンセリングや精神科医にかかる前に、周りの人に相談しない人が増えていることがひとつ。
 
そして、取るに足らない(と思われる)アドバイスでハッとしたり、救われたりする人がいるというのです。
 
ブラックな組織にいる人に対して「ふつう、会社はそんなことしないでしょ」という何気ない言葉でハッと目覚める人がいたりするのだそうです。
 
「ふつう、人はそれに耐えられないよ」という「ふつう」。この感覚でものを言う人が近くにいないことと、カウンセラーが増えてきたことは根っこはおそらく同じではないでしょうか。
 
東畑さんは、だから仲間で愚痴を言い合うことは大事だし、雑談も大事だと言います。東畑さんが一貫して主張しているのは「つながり」です。何も深い友情とか絆というのではなく、バイトやパート先の人とのおしゃべりや時に愚痴の言い合い。アカデミー界隈だと大学組織についての愚痴がかなり盛り上がるそうです。特に理事長連中の悪口とか。
 
「ふつう」を大事にしないで、高いお金を出してカウンセリングに通う人が増えたのが今という時代。
 
私は、常々、地域の親の会への参加を強くすすめているのも、同じような理由です。偉い先生を呼んでの勉強会でなくても、お茶やランチしながら「うちの子、夫、姑の愚痴を言い合える仲間」がいるのはすごく大事だと思います。

 
 

トビラコ店主

 

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