自動下書き
トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
「発達障害」という名称が、そのうち「神経発達症」に変わるかもしれません。
アメリカで自閉症の研究をしてきた先生たちの間では、周知のことなのですが、ずいぶん前から、アメリカ精神医学会では「発達障害」という名称は使いません。「神経発達症」(Neuro developmental)です。
「神経発達症」は総称。特性ごとに名称があります。
一例をあげると。。。
知的障害→知的発達症、知的能力症
学習障害→限局性学習症
運動症候群・・・発達性協調運動症、常同運動症
自閉症スペクトラム→自閉スペクトラム症
日本は、「発達障害」を知的に遅れがないことを前提にしたりしなかったりします。
上でご覧いただいておわかりのように、アメリカの精神医学会は、知的な遅れがあるかどうかはあまり問題にしません。IQはあまり関係なく、むしろ、生活能力を見て判断するようです。
最近では、講演会で配布するレジメに「神経発達症(発達障害)」という表記する先生もいます。
日本は、「発達障害」の名称が「神経発達症」に変わる動きがあるのかどうかを、昨日、ツイッターで聞いてみました。
そうしたら、詳しい方が答えてくださいました。
結論からいうと、法律に書かれた「発達障害」という名称は「神経発達症」に変えるという提言があったので、今後変更になるだろとの見解でした。
これについて、以下、やや詳しい話になります。読み飛ばしてもらって結構です。
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診断基準(名称含む)には、国際的な基準が2つあります。
1)アメリカ精神医学会による基準、DSM。
「精神疾患の診断・統計マニュアル」のことで、改定を重ねています。現在は5版なので、DSM−5と呼ばれています。
2)世界保健機関(WHO)による基準、IDC。
「国際疾病分類」。こちらも定期的に改定されていて、現在IDCー11へ移行中。
日本の医療現場では、1)も2)も医師が利用するために、いろいろな診断名が混在するそうです。(ここまでの参考文献:『発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年』松永正訓著 中央公論新社)
で、昨日ツイッターで教えてくださった方の話によると、世界保健機構の診断基準(IDCー11)が、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)に合わせることになったそうです。なので、「発達障害」ではなく、「神経発達症」に変わるでしょうということでした。
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「発達障害」という呼称に少なからず抵抗のある人はいると思います。ただ、現在は、仕方なく「障害」という言葉を飲み込まざるを得ないわけです。
昨日のツイッターでも、わが子に「学習障害」「発達障害」という診断がついたときに、とても悲しい思いをしたというお母さんがいました。
わが子に「障害がある」といわれて動揺しない親はいないでしょう。いくら「障害」は社会の方にあるといわれても、そう思えるようになるのはずっと後のことです。
「神経発達症」という総称で、特性に応じた名称がある方が、その子の困り感がはっきりします。
投稿したお母さんが例にあげていたのは、「痴呆症」から「認知症」への名称変更です。「認知症」は、以前は「痴呆症」と呼ばれていました。今からみると、相手への尊厳を傷つけるひどい呼び方だなと思います。
厚労省(当時は厚生省だったか)が、各界の有識者を集めて「痴呆症」という名称を変更しました。その有識者の中に、たまたまトビラコ店主の知り合いの中国文学研究者の先生がいたので、このことを知った次第です。
その先生、口が悪いのですが、さすがに「痴呆症(という名称)は、ひどいよなあ」とおっしゃっていました。その先生の提言なのかどうかは定かではありませんが、それまでの「痴呆症」は「認知症」と呼ばれ、法的にも「認知症」の文言が使われるようになりました。認知症という名称だと、その人が抱えている課題がはっきりしますよね。
認知することに、何からの不都合があるし、その程度も人によって違うだろうというのも想像がつきます。
その名称をつけられることで、傷つく人、悲しい思いをする人がいるなら、やはり変えるべきだと思いますね。
神経発達症といった時に、脳の器質に何からの問題があるとわかります。
そういえば、昔は、親の育て方のせいみたいな、あんまりな言われ方をされていた時代もありました。当時「神経発達症」という呼び名だったら、どうだったでしょうか。医療マターとして認識されたのではないでしょうか。
トビラコ店主より
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