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2019.06.03

トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
 

どこからご紹介しようかと悩むくらい学ぶところが多い本に出会いました。『発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年間』(松永正訓著 中央公論新社)。
 
話題になった本なので、すでにお読みになった方もいらっしゃると思います。まだという方は、ぜひ。
 
ここに登場する立石美津子さんは、知的障害のある自閉症の息子さんの母親です。何冊もの著書のある「有名人」ですが、息子さんの誕生から17歳の今日までを、医師でありノンフィクション作家が書いたのは初めてです。
 
著者の松永正訓氏は、あとがきでも書かれているように、「障害の受容」を大きな軸に据えています。受容と簡単にひとことでは片付けられないほどの葛藤、そこを丹念に取材しているのは、医師としてそうせざるを得ないものもあったのではないかと思いました。「お子さんに障害があります」と伝えたそのあと、どう受け止められるか。診察室ではそこまでは聞き出せません。
 
本書によれば、立石さんが息子さんを自閉症と認めるまでに1年かかっています。言葉の遅れを心配し医師に相談するのですが、最初の病院で、「お子さんは自閉症ですね」と断言されます。たった1分、息子さんがおもちゃに触れている様子を見ただけで診断する医師に、立石さんは猛烈に反発。言葉を発しないのは耳が聞こえていないかもしれないと耳鼻科を尋ねるなどして次々と医師を変えます。いわゆるドクタショップングです。
 
しかし、結局は、どの医師も異口同音に「自閉症」「自閉症の疑いあり」と診断します。そして、最初に「自閉症」と断言した医師の再び尋ねると、「1年で受け入れられるのは早い方だよ」と言われました。
 

「1年で受け入れた」といっても、そう簡単ではなく、障害を受け入れることができる日もあれば、できない日もあり、行きつ戻りつします。これは、おそらく多くの親が思い当たるのではないでしょうか。

 
受容の話だけで、こんなに長くなってしまいました。
 
お伝えしたかったのは、立石さんが気づいたシンプルな答えです。こだわりが強くパニックになる息子さんとの暮らしの中で、母親が安全基地になることの大切さを立石さんは痛感します。
 
こだわりは止めるのではなく、つきあう。予定変更が苦手な息子さんのためには、変更になるとわかった時点で、毎日、そのことを伝え続ける。そうすると変更は「突然」ではなく、「予定」されていたことになります。子どもに伝えるべきは「大丈夫だよ」という安心感です。
 
安心、安全基地を得られなかった子たちは、思春期になって二次障害に陥る確率はかなり高くなります。うつ病であったり、希死念慮(自殺願望)であったり、暴力であったり。本書で語られる「二次障害」は壮絶です。
 
「安心にまさる環境なし」を、この本からも強く感じました。子育てする上で、何より優先されるべきは「子どもを不安にさせない」ではないでしょうか。

 
 
 
 

トビラコ店主より

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