トビラコへようこそ！
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
車椅子の人がバスの乗車を拒否されていた時代がありました。拒否というよりも、乗れないのがあたりまえと多くの人が考えていました。車椅子の人が街に出るということ自体、ほとんどなかった時代です。
でも、それはおかしい、車椅子であってもバスに乗れるようにしてほしいという運動があり、やがてバスの仕様が変わりました。今日では、ステップが低く、ドアが大きく開き、車椅子専用の座席を備えたバスはあたりまえのように走っています。
国会議員の介護保障の問題について、今回の参議院選でわかったことがいろいろありました。
建物のバリアフリー化は当然としても、介護者を伴っての国会出席は認められないそうです。というのは、介護保障を受けながらの経済活動は、今の制度では認められていないからです。
（公費による）介護を受けながら国会に出席できないことを、初めて知りました。
というか、介護が必要な人が国会議員になったのは初めてなので、え？ そうなの？ と思っている人が多いのではないでしょうか。
国会議員だけではなく、就労している人は公費による介護は受けられないそうです。必要な介護を受ければ働ける障害のある人はたくさんいるでしょう。それが自立支援にもつながるはずなんですが、なぜか、制度はそうなっていない。
それならば、これを機に制度を変えていこうという機運が高まることを強く思います。まして、国会議員なら国民に選ばれて国の仕事をしようとする人です。介護保障をつけて安心して仕事に集中できるように人的環境を整備することで、巡り巡って国民のためにもなるわけです。
でも、そう思わない人たちもいます。
いろいろな理由をつけて、それはムリというわけです。
重い障害がありながら国会議員が務まるのかという意見。でも、そんなのはやってみなければわかりません。不都合があれば、そこで考えればいいことです。というか、そういう心配は当事者がすればいいことです。
介護者がいると機密事項のある会議に出席できなくなるという人も。うん？ ちょっと待って、と言いたくなります。情報漏洩が心配というのなら、国際的な交渉（十分に機密事項が含まれる）で通訳はつけられないということになります。
通訳に限らず、職業上知り得た情報を漏らさないことを義務づけられている職種はたくさんありますよ。医師、弁護士、司法書士、税理士・・・など。国会議員につく介護者にもそれを義務づければいいだけの話ではないでしょうか。
できない理由ばかりを並べ立ててしまうと、重い障害のある人や難病の人が国会議員になれなくなってしまいます。それとも、そういう人には国会議員になってほしくないとことなんでしょうか。それは、やはり「差別」であり「排除」ですよね。
車椅子の人がバスに乗れるはずがないと思っていた人たちも、そのつもりはなくても車椅子の人を「排除」していたことになります。トビラコ店主もその時代にいたら、車椅子の人がバスには乗れないと思っていたかもしれません。
障害者差別解消法ができ、合理的配慮を根づかせようというとき、その本気度が試されているような気がするのです。
重い障害がある人が仕事をするときに、その隣に介護する人がいる風景があたりまえになってこその多様性なんじゃないか思います。車椅子仕様のバスがあたりまえになったようにね。
トビラコ店主より
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