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〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
「聴く」スキルが未熟なために問題行動を多発させている子どもがいる。
『発達教育』8月号(公益社団法人 発達協会)の「”聴く”ということと”心理教育”」(松浦直巳)のページに書かれていました。
松浦先生によると、ソーシャルスキル(社会技能)は「聴く」に始まり「聴く」に終わるそうです。
そういえば、と思い出したのは、聴くのがとても上手な男の子(当時小2)のことです。一緒に仕事をしていた女性のお子さんで、職場に時々連れてきていました。彼女が昼時に打ち合わせに入ってしまうと、私が彼とファミレスでランチをします。
ある時、メニューを見ながらどれにしようかと二人で迷っていました。
彼が、ステーキに目を留めていたので、やんわりやめるように促しました。
こういうところのステーキは安いお肉を使っているから固くて、あまりおいしくないこと。
おいしそうに見えるのは、カメラマンの腕がいいからだということ。
カメラマンは料理をおいしそうに撮るプロだから、そこを考えながら料理の注文をするように。
そんな話だったのですが、身を乗り出して、うなづきながら聴いてくれました。あんまり感心するので、ファミレスで他の子に「こういうところのステーキはおいしくないよ」と言うのではないかと心配にもなりました。(昔の話なので、今はおいしいステーキを出すファミレスもあると思います)。
また、ある時は、ランチしながらなぞなぞを教えたら、それも真剣な顔で聴いていました。翌日、担任にそのなぞなぞを出したそうです。
こちらの話が、あ、今、彼の頭の中の吸い込まれていくという感じがするのです。本当に「聴き上手な子」でした。
クラスでは、それほど目立つ子ではないでしょう。そもそも聴き上手な子は「俺が俺が」という目立ちたがりではないから。でも、いい友達がいたと思います。人の話をちゃんと聴ける子に友達ができないはずはありません。
自分の話だけして、人の話を聴かない子はたくさんいます。だからこそ、「聴く」ことができる子は好かれますよね。友達同士のトラブルも起こさないでしょう。
どうしたら、それができるようになるんでしょうか。
友人とトラブルを起こした子を例を挙げた松浦先生の話を意訳すると、まずは話を全部聞いてもらう体験が必要だそうです。子どもに体を向けて、タイミングよくうなづきながら、時々「へ〜」とか「うん、うん」とかあいづちをうちながら聴き、「もう他に言いたいことはないかな」というらしいです。
言いたいことを全部聞いてもらった子はスッキリします。そのスッキリしたところで、トラブルを起こした相手の話も最後までちゃんと聴くことが大事だと説きます。トラブルというのは、お互いの言い分を十分に聴かずに起きることが多いからです。
「聴く」スキルが身につくことで、トラブルの回避にもなることも教えるそうです。
ところで、「聴き上手」の男の子は、今高校生。カメラマン志望で、ある有名カメラマンのところに弟子入りしています。まさか、あの時にファミレスで話したカメラマンことが頭にあったわけではないとは思いますが。
「きいて・はなして はなして ・きいて トーキングゲーム」のキャッチフレーズも「きいて」が「はなして」よりも先です。
トビラコ店主より
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