トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
家族のだれかに障害がある人間がいて、その障害が新しい場所に慣れるのに時間がかかる自閉症だったりすると、レストランで個室を選ぶことが多いかもしれません。
トビラコ店主の実家もそうです。きちんとしたレストランでの食事は個室をとります。知的障害、ダウン症、自閉症など重複した障害を持つ妹は、普段あまり行かない場所だと不安定になって大きな声を出すことがあるからです。
個室であっても、その場の空気に慣れるまでは落ち着かずに大きな声を出します。でもだんだんと慣れてくると、食事を楽しめるようになってきます。個室に入ると、あ、この空気、そのうち大きな声出すな、ということが何となくわかるんです。
で、やっぱり大きな声を出します。なんというのかな、その部屋の空気が、私たち家族に馴染んでいない感じ。妹はそういう空気に敏感に反応します。まさに、張り詰めた空気を破るというか。
そういうときにどうするか。
「静かにしなさい」とか、人差し指を唇にあてて「シー」とか、いっさい言いません。そんなことで静かになるくらいなら、最初から騒ぎません。
なるべく、個室の空気を自分たち家族のものにするようにします。
椅子を妹の近くに寄せて、肩をぎゅっと抱き、話しかけます。その場に慣れていないときの体は、緊張して小刻みに震えている気がするのです。その緊張を和らげるためにギュッとして安心させます。そしてメニューの写真を見ながら、何を食べるのかを聞くようにします。
そうしていくうちに、だんだんと個室の空気が私たち家族の空気になっていきます。家にいるときのようにリラックスしてくるのです。妹も笑顔になります。そして、最後には大満足して帰ることができるのです。
先日は、そうして、みんなで個室で食事を楽しみました。そのレストランは、障害のある子(人)の家族にとても慣れていて、行き届いたサービスをしてくれます。大きな声を出す人間にも、にこやかにサービスしてくれます。
レストランの階段を降りるとき、階段を上がってくる家族がいました。家族のひとりは、おそらく自閉症と思われる男の子です。ああ、このご家族もおそらくこのレストランの個室なんだろうなと思い、すれ違いざまにお互いに何となく親しみを感じて軽く会釈をしながら言葉を交わしました。
特別なニーズが必要な人に優しいレストランは、そうでない人にももちろん優しく、だから繁盛しています。
ちなみに、妹は「ドトール」が大好きで、よく連れて行きます。ここは馴染みの店なので騒ぐことはまったくありません。いつだったか、妹がコーヒーをカップごと床にこぼしたことがありました。床を拭こうとするトビラコ店主を制して、モップ片手に駆けつけた店員さんは、真っ先に、妹の服に被害がなかったかどうかを聞いてくれました。そして、出るときにはにこやかに「またのお越しをお待ちしております」と扉を開けて送り出してくれたのでした。以来、私たち家族は「ドトール」のファンです。同じようなお店が並んでいたら「ドトール」を選びます。
トビラコ店主より
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