トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
「比べない子育て」という特集。子育て雑誌編集時代のもっとも好きな特集です。いまでも、どこかの子育て雑誌で組んでほしいと思っています。
トビラコ店主は、3人きょうだいですが、そのうちの二人が別々の特性というか障害を抱えています。だから、3人が比べられるということは、まったくありませんでした。ひとりひとりが独自すぎて比べる対象にもなりません。これが幸いしました。
今でも、誰かと誰かを比べるという発想がほとんどありません。
きょうだいと比べられて育つと、大人になっても傷を引きずることがあります。
兄は大学の卒業式で総代を務めるほど優秀。弟は親戚の家に預けられるほど手がつけられない不良。そんな従兄弟がいます。
叔父が危篤だというので、久しぶりに親戚が集まり、その従兄弟の弟の方がきました。兄は海外に住んでいるので、気軽には帰ってこれなかったのかもしれません。
弟は、20代になっていました。親戚が集まって通夜を控えるというのは、しんみりするというよりも済ませなければならない用事がたくさんあります。弔問客の数がものすごく多いことが予想されたからです。
元不良の弟とトビラコ店主は買い物係になって街に繰り出しました。そこで、久しぶりに会った彼の第一声が「ぼくは、兄さんみたいに優秀じゃないから」という主旨の前置きでした。とても違和感がありました。
だから、思わず。
兄さんとあなたは別の人間なんだから、別の個性があるのよ。と返したと思います。
すると彼は、ものすごくびっくりして、顔がパーッと明るくなりました。きっと、そんなことを言われたことがなかったのだと思います。あるいは、親戚中が、自分と兄を比べているとでも思ったのでしょうか。
地元でレストランを開店し、シェフとして海外で修行のようなこともしました。留学したことのある兄を意識してのことだと思います。しかし、その修行がうまくいきませんでした。帰国して、結婚し父親となるも離婚。店もたたんでしまいました。
人生、何をやってもうまくいかない時期は、誰でもあります。でも、やはり、うまくいっている兄と自分をどうしても比べてしまう。それが、彼をマイナスの方向へと引っ張ってしまったのかもしれません。
いま、彼は、兄と自分を比べて育てた母親(叔母)と絶縁状態です。
では、比べられて優遇された兄はどうなったでしょうか。海外と日本を往復する生活ですが、帰国しても実家に立ち寄ることしないそうです。
ある俳優さんを取材したことがあります。
その方も、華のある兄と常に比べられて育ちました。その時の壮絶な仕打ちは、押しも押されもせぬ地位を築いた今でも心に深い傷となって残っているようです。もちろんオフレコですが。
きょうだいを比べるのは、残酷です。比べられた方は深く傷つきます。
まして、努力ではどうにもならない特性をもった子を他のきょうだいと比べるのは、その子を否定するのと同じではないでしょうか。
トビラコ店主より
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