トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
感覚過敏は、今でこそ注目されるようになりましたが(といってもまだ一部)、それでも肌感覚としてはなかなかわかりづらいかとは思います。
先日、感覚過敏の女性の話を聞きました。
ウールが苦手で、ウールの毛羽立ち1本1本が針のように感じられ、痛いというのです。だから、ふわふわの素材が好きなんだそうです。
コロッケの衣のサクサクが針のように感じられて食べらないという子もいます。口の中に針という聞いただけで、すごく痛そうです。
トビラコ店主も一時的に感覚過敏になったことがあります。30代前半、2年近く入退院を繰り返して、定期的に抗がん剤の点滴(24時間ぶっ通し)を受けていた時期です。抗がん剤の影響で感覚過敏になりました。当時は、「感覚過敏」という言葉は流通していませんでした。でも、あの異常に研ぎ澄まされてしまった感覚は、感覚過敏だったのだと思います。
まず、匂いに敏感になりました。病院のご飯の匂いがダメになり、食事の時間が近づくと気持ち悪くなりました。
色にも敏感に反応するようになり、それまで好きだった赤が苦手になりました。赤いパジャマを着ていたのですが、着るとムカムカするようになり別の色にしました。
パジャマの生地の感触にも敏感になりました。お見舞いにいただいた白のシルクのパジャマのツルツルした生地の感触に過敏になり、ベッドから滑り落ちてしまうような恐怖に悩まされました。滑り落ちる感じが強くて、ベッドの柵にしがみついていたほどです。柵にしがみついた手を縛ってほしいとさえ思いました。
この感覚は、いくら人に説明してもはわかってもらえないでしょう。感じ方を口で説明するのはとても難しいものです。
毛羽立ち1本1本が針のよう。
コロッケの衣が針のよう。
このように言葉で例えることができると、痛みも伝わります。
でも、うまく伝えることができない子の場合、単なるわがままととられてしまうかもしれません。その子が「いや!」という場合は、必ず理由があります。うまく表現できないだけなんですよね。
それにしても、「パジャマのツルツル感でベッドから滑り落ちそう」は、ちょっと伝わらないかも。
余談ながら、抗がん剤の影響は感覚過敏だけではありませんでした。
集中力がなくなりました。3分とじっとしていられなくなったのです。座ったとたんに立ち歩きたくなりました。ペンで書こうとノートを開いて、ペンケースからペンを出した時には、もう書くのが嫌になっているのです。
薬を飲んでもうまくいかず、抗がん剤の配合を変えてやっと落ち着きました。看護婦さんには「ソワソワ虫が、肩にいる」と訴え続けていました。
きっと椅子に長く座っていられない子の中には、ソワソワ虫の感覚がある子もいるんじゃないかと思いますね。じっとしていなさいと責められても、自分の意志ではどうにもならないんです。
今はソワソワ虫を退治するいい薬があると思います。薬に抵抗を示す人もいますが、つらいのは本人です。そこを理解してほしいなと思います。
トビラコ店主より
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