トビラコへようこそ！
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
中川信子さん（言語聴覚士、こどもの発達支援を考えるSTの会代表）の研究会に行ってきました。
特別支援学校（学級）の先生、放課後等デイサービスの関係者、言語聴覚士（ST）、保護者たちが学ぶ会です。トビラコ店主はちょっと例外的な存在ですが、学ぶことの多い会でした。
優れた専門家がそうであるように、中川先生もあまり専門用語を使いません。
とてもわかりやすく、そして専門家が集まっているからこそなんでしょうが、次のようにお話しされました。
「客観性とかエビデンスとか、理屈にばかりとらわれていると、見えるはずのものが見えなくなります」
なにかというと「で、エビデンスは？」と、エビデンスのないものは一切認めないという風潮さえあります。
特に教育の場合は、エビデンスがあるからといって、それが必ずしも誰にでもあてはまらないのが難しいところ。AくんによかったものがBちゃんには効果がないというのはよくあることです。むしろ、エビデンスがあることが子どもを見る目が曇らせることがあります。
そもそも教育の効果というのはあらわれるまでに時間がかかるし、効果の要因というのははっきりしない場合があります。
中川先生は今年71歳。言語聴覚士の第一線で活躍し、数え切れないほどの発達障害含め障害のある子どもの成長を見てきました。その中川先生でさえ理屈では説明のつかないことがあるといいます。
エビデンスを軽んじといるということではないんです。でも、子どもの成長や変化は理屈では語りきれないものがあるし、正解がないということを、中川先生はこれまでの経験で誰よりもご存知なんだと思います。
エビデンスを求めるというのは、「これが正解」を求めるのと同じ。子育てや教育とは必ずしも相性がいいとはいえないですよね。
ご参考までに。「エビデンスで殴る」というやり方はなぜうまくいかないのか。これも中川先生から教えていただきました。
トビラコ店主より
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