トビラコへようこそ！
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
質の高い支援って何かなあ、ということをずっと考えていました。
放課後等デイサービスのドキュメンタリー映画「ゆうやけ子どもクラブ！」を試写会で観たからです。
結論は、「時間」と「場」であると思いました。
子どもの成長、特に障害のある子の成長はたいていは、ゆっくりです。ゆっくりだけども着実に変わるし、成長していきます。だから、待つ時間が必要です。
でも、「ゆっくり待つ」ことを掲げている放デイって、あまりないですよね。
たくさんの療育プログラム（それがいけないというのではありません）、立派な建物、最新の設備。これらは放デイの「売り」になります。でも、「お子さんの成長をゆっくり待ちます」などと言ったら、子どもが集まらないかもしれません。
ただ、長年、子どもを見てきた人たちは「待つ」ことの大切さを知っているはずなんですがね。
もうひとつは、場の力です。
子どもを緊張させてしまうような場は論外ですが、子どもが安心できる居心地のいい場所かどうか。不適切な言い方になってしまうかもしれませんが、安心してパニックを起こせるかどうか。パニックを受け止めてくれる支援員がいるかどうか。ここも支援の質を決める要因ではないでしょうか。
「ゆうやけ子どもクラブ！」を観るとよくわかるのですが、場の力をつくるのは支援員たちです。この放デイのミーティングがすごい。子どもの言動を、自分たちが記録したものをみながら分析しているのです。その記録が3年分くらいあるんです。
あの時は、どうだったかと遡って、子どもを理解していく。その熱量に圧倒されます。いい放デイは、たいていそうです。反省会というものを職員そろってやります。子どもの理解を共有している人たちが場の力を作っているのです。こうした場の力があるのは、子ども理解があるからこそ。そして子どもを深く理解できた上で、成長をゆっくり待つのも支援でしょうか。
支援には、見える支援と見えない支援があります。支援の質を決めるのは、見えない方の支援の熱量ではないかと思いました。
トビラコ店主より
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