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2019.12.25

トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜

 

発達障害の子を育てる親の気持ちと向き合う』(柘植雅義監修 中川信子編著 金子書房)は、とても学びの多い本です。
 
療育の専門家、学校の先生、医師、親の会の代表など立場が違う10人のかたたちが、それぞれにご自分の領域から語っていて、どこからでも読めます。
 
なかでも、進藤美左さん(NPO法人調布心身障害児・者親の会会長・自閉症スペクトラム支援士)のページはぜひご一読いただきたいです。
 
進藤さんのページの小見出しは、こんなふうです。
 
●障害受容できなくたっていいじゃない
●療育施設での日々
●先輩母の体験談
●親の会活動のこと
●ネガティブになってもいい
●「助けられた人は、助ける人になる」
●一緒に困って一緒に考えてくれる人

 
小見出しを並べただけでも、進藤さんというかたが立っている場所がわかるような気がしませんか。「障害受容」というのは、わが子に障害があるということを受け入れるということです。専門用語のひとつです。
 
進藤さんの話を秒速の早回しでお伝えすると、
 
・失敗談をとことん話すと、それは爆笑ネタになるよ。子どもや自分の失敗を始末しながら、親の会で話すネタができたと思えるようにもなるよ。

・ネガティブな話もどん底まで出し切ると「うちの子(旦那)にもこんないいところもある」と思えるようになるよ。

・落ち込んで絶望の淵にいた母が先輩母に助けられ、助けられた後輩母がやがて先輩母になって、後から来る母を助けるようになるよ。これはリアルに会う親の会ならではだよ。

・指導のスキルよりも、一緒に困って、一緒に考えて、一緒に笑ってくれる人を親は信頼し、子どもも慕うよ。
 
早回しにしたために薄くなってしまったかもしれませんが、実際にはこの何百倍も濃い話です。ネガティブな話のエピソードもすごい。「あの橋から、子どもと一緒に飛び込もうとしたこともあったわ(笑)」「あ、私も、そうよ。同じだ(笑)」。聞きようによっては引いてしまうかもしれないエピソードを語り合えるのも同じ境遇の仲間だからです。
 
指導のスキルのくだりは胸に迫るものがあります。
 
知識をもって適切に対応してほしいと前置きしながら、次のように語っています。
 

しかし、誤解を恐れずに言うと、本当に心に残る支援というのは、指導のスキルではない気がする。あまり知識や経験がなかったとしても、本人をよく見て、親の話を丁寧に聞いてくれて、同じ目線で一緒に歩んでくれた先生には、会うたびに嬉しい気持ちになり、がっちりと信頼関係を作れた気がする。

一緒に困って、一緒に面白がり、一緒に考えてくれた支援者のことを、娘はとっても好きで慕っていた。一緒に取り組んだ実感は娘に自信を与え、その経験は大切な宝物になった。また、そういう支援者は勘もよく、興味をもって勉強してくれるので、結果として知識もスキルもある最高の支援者になる、ということもあった。

(『発達障害の子を育てる親の気持ちと向き合う』親の会による保護者同士のサポートの実際より)

 

最近は「支援から共生へ」とも言われるようになりました。支援というのは、上から目線ではなくて、「伴走」ということなんですよね。
 

親同士が、失敗談を披露しあえて笑い話にできる関係というのもいいですよね。
 
トビラコ店主の妹は小さい頃はとても多動で、ある時、家からいなくなりました。青ざめた母は近所の交番に駆け込んで、おまわりさんとパトカーに乗り込み一緒に探しました。パトカーで探し回っている間に、どこかの親切な方が、様子の変な妹を交番まで連れてきてくれて無事だったのですが、パトカーの中で母は生きた心地がしなかったと思います。
 
一方、交番にいた若いお巡りさんは妹を預かったものの、何を聞いても言葉が返ってこなくてさぞ困ったことでしょう。口紅(なぜか、そんなものがあったんですね)を差し出したところ、妹はパクッと口にくれて食べようとしたらしいです。この話も、後になると笑い話。
 
母も、「まさか、パトカーに乗れる日がくるとは思わなかった」と、これもまた笑い話です。
 
この「わが家の事件」を妹の養護学校(特別支援学校)のお便りに掲載したところ、先生たちにすごくウケてしまいました。書いたのはトビラコ店主です。母に頼まれての代筆でした。
 
「お母さんは、そいうおもしろいところがあっていいですねえ」と先生方に母が褒められてしまい、以来、学校のお便りの親のページでは、ずっと母の代筆をするはめになりました。結構苦労したんですよね。先生たちが楽しみにしてくれているし。
 
母から話を聞き出して、ちょっと泣ける路線で親心を描くと、これまた先生たちが「お母さんは、普段冗談ばかり言っているけど、本当はこういうことを考えている人なんですね」と感心されたりもしたようです。そうなると、先生や保護者という読者を想定しながらテーマを決めて書くようになり、徹夜したこともありました。ま、これも笑い話といえば、笑い話かもしれませんが。これが、子育て雑誌編集の仕事につながってもいたようにも思えます。どこに将来の仕事のタネが埋まっていて、どこで芽を出すかわからないものです。

 
 
 

トビラコ店主より

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小学館の子育てサイトHugKum(はぐくむ)に記事を書いていました。
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