トビラコへようこそ！

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
 

机を二人でえっちらおっちら運ぶことを、さかんにすすめる先生が何人もいました。教育雑誌の編集をしてい頃の話です。協調性が育つとか、そういうことなのかしらんと、当時はあまり深く考えませんでした。でも、発達系の仕事をするようになって、協調性以上に大切な要素があることに気づかされました。
 
一緒に運ぶということは、相手の歩調や力加減に合わせなくてはなりません。そして自分の動きが相手にどう伝わるかも推測する必要があります。自分が力を抜くと、相手はすごく重く感じます。自分だけさっさと運ぼうとすると、相手がついてこれないかもしれません。
 
相手の動きを予測しながら、自分も動くということを苦手とする発達系の子どもたちには、これがいいんですね。当時は深いところまではわからなかったのですが、今、こうして伝えられるようになり、あのとき先生方から聞いたお話が無駄にならずにすみました。
 
自宅で過ごす機会が多く、子どもはお手伝いの機会が増えました。ひとつのものを一緒を運ぶという作業をしてみてはいかがでしょうか。
 
ダイニングテーブルを一緒に動かして掃除するのもいいかもしれません。ちょっと難易度は高いのですが、水を入れ替えた水槽を一緒に運ぶのはどうでしょうか。
 
相手の動きを予測して自分も動く、自分の動きが相手にどう伝わるかを想像する。これって脳のどこかの領域をフルに使っていそうですよね。

 
 
 
 

トビラコ店主

 
 

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