お知らせ一覧

2020.07.31

トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
 
 

食べ物の好き嫌いが多くて困っています。
 
というよくある相談に、料理研究家の土井善晴さんの答えは思いもよらないものでした。
 
オンライン講座「この夏の一汁一菜」、最後の質問コーナーでの回答です。
 
「無理に食べさせんでも、見せておいたらええんです」
 
これだけです。
 
土井さんは大人になるまで人参を食べたことがなかったそうです。ハンバーグのつけ合わせに人参がついていても口にせず「ああ、人参があるなあ」くらいにしか思っていなかったとか。でも、大人になって人参グラッセを食べたら、とてもおいしいと感じたといいます。
 
人参グラッセは小さい時から見ていて、その時は食べなかった。でも、大人になって何かの拍子に食べたらおいしかったということです。
 

 
これ、私も経験があります。30代半ばまでトマトはまったく食べられませんでした。中の種のぐちゃぐちゃが口に入るのが嫌だったからです。
 
でも、トマトは見ていました。トマトを食べる人も見ていました。で、ある時、トマトを食べたらおいしいと感じました。以来、トマトはあたりまえのように食べています。もし、小さい頃、親に「栄養があるんだから食べなさい」と毎度言われて無理やり食べさせられていたら、きっとトマトにいいイメージは持てなかったでしょう。
 
無理やり食べさせたり、ごまかして何かに混ぜたりということをしなくても、ある時期がきたら食べられるようになります。食べられなかったとしても、さして問題にはなりません。
 
食べなくても、それが食卓にあって、ほかの人が食べているところをいつも「見る」ことが大事なんですね。
 
親が食べないものは、子どもも食べません。親が食べていると、子どもはいつか食べるようになります。
 
土井さんは、こんな風にも話していましたね。
 
確かに。私は小さい頃は嫌いなものだらけでした。たとえば、醤油、漬物、チーズ。これらは、本当に嫌いで、醤油をかけるのが大嫌いでした。醤油は飛び上がるほどしょっぱく感じて嫌だったのです。でも、いま醤油なしで料理することも食べることもできません。漬物もそうです。しょっぱくて絶対に食べられませんでした。でもいまではおいしい漬物を見つけるとうれしくなります。チーズに至っては、匂いをかいだだけで気持ち悪くなっていたのに、今では何種類ものチーズを楽しんでいます。
 
無理やり食べさせなくても、見せるだけでいい。
 
これを聞いてラクになれる人がたくさんいそう。食育というのは「子どもに教えなくてはならぬ」というのではないのかもしれません。そもそも「教えてやろう」としたことは、身につかないと思います。押しつけですからね。
 
それで思い出したことが、もうひとつ。
 
土井さんの話でおもしろかったのは「勉強」についてです。養老孟司さんから聞いた話として「勉強せいいうたら、絶対にあかんそうです」と。「勉強せい」と言われると、子どもは防衛本能が働いて、それ以上のことは学ばなくなって身につかないそうです。自分から興味をもったものでないと身につかないというのです。
 
大切なことをサラッと言うのが土井さんです。
 
和食は自然の摂理からなっているという、一見すると難しそうですが、自然をいただく、地球と自然と人間と繋がっているという話です。
 
「ここ(地球)に生まれてきたいうことは、あんたここにおってもええよ、いうことですから。ほな、ありがたく自然をいただく、ということですわ」、とこんな調子でサラリと。
 
生まれてきた=あんたここにおってもええよ(神様の声?)。こんなにシンプルに、言い切ってもらえて、なんだか泣きそうです。私たちは、みんな、「ここにおってもええよ」と言われているんですよね。
 

 
 
 
 
 

トビラコ店主

 

 

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