トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
お試しいただける商品をまとめました、こちらです。
親は100点の義務なし、親は子どもの障害受容(障害を受け入れる)の義務もなし。
「親は万年60点でよし」というのが作業療法士の木村順先生。その60点は、子どもの世話をすることです。ご飯を食べさせ、清潔な服を着せ、お風呂に入れ、快適な布団に寝かせること。これだけでも、膨大なエネルギーを持っていかれます。だから、木村先生はそれだけで親としての役割は果たしているよ、ということです。
親は60点でよし、そして願わくば良き指導者と連携を、と続きます。
ところが、発達障害関連の本というのは、60点の親ではなく、限りなく高い点数を要求してくる。こんな風に思う親は少なくないかもしれませんね。ひとつは、(自戒も込めて)編集する側の人間の問題だと思います。それこそ、「子育ては会議室で行われているわけではない」のであって、現場で起きています。
疲れた親から睡眠時間を奪い、せっかく作った食事を放り投げられ、思い通りにいかないと泣きわめき。予定変更を頑として聞き入れてもらえず。ほとほと疲れ果てる。こうしたことが繰り返されているわけです。そのうえ、パートナーが、家事や育児を「手伝う」という言い方でしか参加できなかったりすることもあるかもしれませんよね。
そもそも発達障害の本の執筆者は専門家ですから、そのことだけ専門にやっていればいいわけです。でも親は専門家ではありません。
木村順先生は、このことがとてもわかっている方です。だから60点でいいよ、障害を受け入れる義務はないよとおっしゃっているわけです。
さらに木村先生は、療育はプロの仕事、それで飯食っている人たちの仕事、親が専門家なみに療育に詳しくなる必要なんてない、とも。
ただ、親はわが子を守る制度や法的な知識は持っていたほうがいいようには思いますね。
福祉手帳を取得することで得られるメリット(デメリットは一つもありません)であるとか。法的なことでいえば、子どもへの財産の残し方や財産管理の問題とか。
自治体の福祉課に相談するのも、もちろんひとつの方法です。ただ、福祉課のレベルは自治体によってものすごく差があります。親切に教えてくれるところもあれば、あからさまにめんどくさがるところもあります。なので、こちらで法制度も含めて全体を見渡せるような知識や情報は持っていたほうがいいと思いますね。福祉課に相談するにしても、です。
で、次の2冊の本をおすすめします。
『障害のある子が将来にわたって受けられるサービのすべて』(渡部 伸監修 自由国民社)1500円+税
福祉制度等が中心ですが、親亡き後の相続、後見人制度も書かれています。
『障害のある子が「親なき後」も幸せに暮らせる本 ダウン症の娘を持つ「相続のプロ」が明かす財産管理のしくみ』(鹿内幸四朗著 杉谷範子監修 大和出版)1600円+税
子どもが成人前にすべきこと、成人してからでもよいことなど、法律の最新情報がわかりやすく書かれています。よかったら、参考にしてみてください。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)