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〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
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「言葉がけ」というのは、支援者にも親にもすごく関心が高いテーマです。
私が、子育て雑誌を編集していた頃も、手堅い特集のテーマのひとつが「言葉がけ」でした。それはそれで、よくわかるし、当時は様々な先生に取材をさせていただき、読者にお伝えできたとは思います。でも、いま、もし「言葉かけ」の特集をやるなら、「言葉」だけに特化させる危うさもきっちり伝えるだろうなと思いますね。
否定ではなく、どうしたらいいのかを伝える。これはよく言われることです。
走っちゃダメ → 歩こうね
テキストだけで見れば、良さそうに思えます。でも、それはあくまでテキストだけのことです。声のトーンも表情もそこには入っていません。
笑いながら、優しいトーンで「走っちゃダメ」と、
冷たく、突き放すように、あるいはキンキン声で「歩こうね」では、受け止め方が全然違うと思うのです。
キンキンと高い声がダメという子はいます。感覚過敏の子に多いような気がします。自分の周辺調べなので、実際のところはわかりません。でも、確かに疲れているとキンキンと高い声が癇に障ることはありますよね。
私がいいなと思う先生や支援員さんは、低く優しい声だったり、柔らかな声だったりします。あれは、意識しているのかな。ある支援員さんは「意識しています」とはっきりおっしゃっていましたね。静かな声じゃないと、聴覚過敏の子どもがびっくりするからだそうです。やはり、そこまで考えていたんですね。
単語帳のようにして、言葉がけの変換帳を作ったところで、それがどのような場面で、どのような声のトーンや表情で言葉をかけるかで、まるで違って聞こえると思うのです。あくまで、その子に伝わるかどうかが大事なんじゃないかと思います。
言葉がけの本当の目的は、言葉を翻訳機のように変換することではありません。あくまで、その子に響くように伝えるためのものです。こうすれば、こうなる、というほど単純ではないし、状況によっても変わってきます。テキストだけで説明するのには限界がありますよね。なので、言葉よりも環境を整えることが先という場合もあります。廊下の右側を歩きなさいというよりも、右側に向いた矢印がついているだけで、右側を歩くようになる、ということだってありますからね。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
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