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発達障害は「少数派民族」。
本田秀夫先生(精神科医・信州大学附属病院子どものこころ診療部長)の変わらぬ持論です。「少数派民族」説を初めて聞いたのが、取材させていただいた6〜7年前でした。
少数派民族だから、生きづらい。少数派民族だから、周りの理解がなかなか得られない。そのようなお話を交えながら、ではどうしたらよいのかということを記事にしました。
その本田先生の著書『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』(本田秀夫著 SB新書 2018/12/6)を遅ればせながら、読み始めました。
発達障害に30年寄り添ってきた先生ですから、ものすごくたくさんの事例をご存知です。そのなかで、「多数派民族」のおごりとして書かれていたゲームの話がおもしろかった(というとちょっと語弊がありますが)ので、ご紹介します。
「黒ひげ危機一発ゲーム」の話です。
昔からあるこのゲーム、説明するまでもないと思いますが、樽にナイフが刺さる大きさの穴がいくつも開いていて、そのうちのどこかの穴にナイフをさすと、海賊の黒ひげが飛び出します。
通常は、順番に一回ずつナイフを刺し、海賊を飛び出させてしまった人が負けです。
ただ、これは「多数派」の楽しみ方です。
でも、違う楽しみ方をしている、自閉症スペクトラムのグループを、本田先生は紹介しています。
ひとりでナイフを刺し続けて、何回で海賊が飛び出したかと競うというのです。ひとりの子が、刺している間、他の子は別の遊びをしています。でも、全員が「黒ひげ危機一発ゲーム」をしているので、同じゲームをしたことになります。成人の自閉症スペクトラムのグループも、同じだそうです。一人が黒ひげをやってる間に、読書したりしているとか。
でも、これで全員が「黒ひげ危機一発ゲーム」を楽しむことができているので、何ら問題はないし、楽しみ方に優劣はないと本田先生は話します。
「ゲームに同時に全員が参加して、一人ずつナイフを刺して楽しむもの」と決めつけるのは多数派のおごりでしかないという言葉に、ドキッとしました。
もし、私がその場にいたら、「集まって、みんなでやろうよ」と言ってしまったかもしれません。
どのような形であれ、楽しめればいいわけです。多数派の決めつけというのは、様々なところに潜んでいて、それが少数派を生きづらくさせているということは、大いにあると思いましたね。
ルールに子どもを合わせるのではなく、子どもにルールを合わせるという発想、必要ですよね。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
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