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思春期前後で発達障害かもしれない、受診してほしいというとき、子どもにどう切り出したらいいのでしょうか。
山登敬之(やまとひろゆき 精神科医 えびすさまクリニック院長)さんは、次のように語っています。
思春期の難しい時期に、いかに傷つけないよう受診をすすめるかがポイントです。一番困っているのは本人。「〇〇障害だから××学級で勉強しよう」では、とても受け入れてもらえません。
「〇〇のことで困っているんじゃないかな。なぜうまくいかないのか調べたり、皆んなで相談して、どうしたらいいのか考えてみよう」と検査や相談を促してみましょう。そして、結果を見ながら「こうすればうまくいく」という具体的な方法を見せてあげることです。
これをまさに実践していたのが、のちに特別支援士や子育てカウンセラーとして活躍する堀内祐子さん。堀内さんの4人のお子さん全員が発達障害です。堀内さんは長男ケントさん(当時小学5年生)の傍若無人とも思える行動に振り回されていました。スクールカウンセラーに受診をすすめられた堀内さんは、ケントさんに次のように話しました。
「ケンちゃん、しんどい思いをしているよね? 何か理由があるかもしれないからお医者さんに診てもらったらどうかと思うんだけど」
これ、まさに山登さんのアドバイスそのものです。
「しんどい思いをしているよね」って、すごくいい切り出し方だと思いました。
だから、ケントさんも
「じゃあ、行ってみるよ」とすんなり受け入れたのでした。
クリニックでは、ケントさんの生育歴を詳しく聞かれ、知能検査を受けた結果、
「アスペルガー症候群にADHDがかぶっている」と診断されました。
受診にあたって、生育歴を詳しく聞いたり、知能検査を行ったりしたという点も重要なポイントです。
病院選びについて、山登さんは次のように話しています。
医師がその子の赤ちゃん時代からの育ちを丁寧に聞いてくれなかったり、診断前に書かせるチェックリストだけで判断したりするような病院は信頼できません。発達検査などをきちんとおこなっているかどうかを確認しましょう。
この点も、まさに堀内さんの息子さんはいい先生に診断を受けることができました。
医師は診断はするけど育て方までは教えてくれません。山登さんは診断後は「親の会」などで仲間づくりをしたりしたりして、自分の応援団をつくりましょうとすすめています。
そして、堀内さんも診断のあと「親の会」に入って情報を得るようになります。
山登さんと堀内さんは面識がありません。でも、発達障害の受診からその後のフォローまでがぴったり一致します。
話をまとめると、次のようになります。
1)本人の困り感をなんとかしようという姿勢で診断をすすめる。
2)障害のせいでしんどい思いをしたということを互いに確認する。
3)具体的にどうしたいいのかを提示する
4)医師は育て方のアドバイスをする立場ではないので、親の会などで情報を得たり、良き理解者を得たりする。
(参考資料:『発達障害 あんしん子育てガイド』tobiraco編集 小学館)
最近は、チェックシート1枚で、「あなたは〇〇タイプ」と簡単に決めてしまうお手軽セミナーがあります。危ういなと思っていたところ、何回か取材させていたただいた山登さんの話を思い出し、やっぱりそれじゃ信用できないよねと、改めて確認することができました。山登さんは、自閉症として有名になった東田直樹さんと初期の頃から交流のあるかたです。著書もたくさんありますので、ご興味のある方は検索してみてください。
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
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