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2020.09.24

トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
 
お試しいただける商品をまとめました、こちらです。

 
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幼児教室でやっていることと、特別支援教育でやっていることが似ている。
 
昨日、そんな話をしました。具体的な例が浮かばずに時間切れとなってしまったのですが、すごくいい例がありました。
 

モンテッソーリの秘密袋ってご存知ですか? 袋の中にいろいろなものを入れておき、手探りで中身をあてる遊びです。
 

発達障害の子の中には、触られることを極端に嫌がる子がいます。
 
髪の毛をとかしてあげようとすると、ものすごい勢いではねのける。爪を切らせない。帽子のあごひもを嫌がるなどなど。触れられることを極端にいやがるのは「触覚防衛反応」といういうそうです。
 
こういう子たちに、秘密袋はいいそうです。
 
なぜなのでしょうか。ここから先は、木村順先生の名著『育てにくい子にはわけがある 感覚統合が教えてくれたもの』(木村順著 大月書店)を参考にしています。
 

 
脳には原始的な感覚と新しく獲得した感覚とがあります。「触覚防衛反応」は、原始系。ヒトがまだ目や耳が発達していない生き物だった時代のものらしいです。だから、かな〜り古いですよね。目や耳が発達していないと、危険を察知するのは皮膚の感覚しかありません。得体の知れない、敵かもしれないものに少しでも触れるパッと払いのけて自分を防衛するわけです。
 
触覚防衛反応の子が、ベタベタ、ヌルヌル、ネバネバしたものを極端に嫌うのも「得体が知れない」という反応になるからだそうです。
 

10種類の感触。筑波大学附属大塚特別支援学校の教材。


 

でも、防衛・防御ばかりしていると、餌を自ら獲得することが難しくなります。そこで、新しく獲得した感覚は、自分で触って餌かどうかを「識別」する「識別系」です。識別系は原始系を制御することで「触って確かめる」ということができます。
 
原始系が暴走すると、なんでもかんでも防衛してしまうようになります。そこで、識別系が原始系の暴走を抑えて「触ってたしかめる」をするわけです。
 

秘密袋に手を入れて手探りで、触ったものをあてる遊びは、まさにこの「識別系」を研ぎ澄ましてくれるます。砂の中に埋めて掘り出す遊びもまた「識別系」を使うのでいいそうです。
 

で、ついでに付け加えますと、「触覚防衛反応」をする子には、そっとほほずりするのはダメで、ぎゅっと抱きしめるのがいいそうです。「そっと触る」は「得体が知れない」につながるものがあるからなんでしょうね。肩にそっと触れるもアウト。触れるならしっかりと、ということをお世話になっている放課後等デイのかたに聞いたことがあり、やっとその意味がわかりました。
 
秘密袋、お試しください。中身は積み木とか消しゴムとかクリップとかなんでもいいようです。
 

 
 

トビラコ店主

 

 

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発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)

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