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2020.10.01

トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。

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発達障害の当事者が、自分の小さい頃を振り返った話には、子育てや支援のヒントがたくさんあります。
 
文字が読めないパイロット 識字障害の僕がドローンと出会って飛び立つまで』(イースト・プレス)の著者(聞き書き)、高梨智樹さんは重度の識字障害です。
 
智樹さんは、周期性嘔吐症で、体がとても弱く、点滴を打ちに病院に通いながら保育園や小学校に通っていました。
 
小さい頃、砂遊びが大好きだったそうです。
 
今から思い返すと、「形が変わるのがおもしろくて、自分で作り直せるのが楽しかった」と語っています。
 
そして、ここからが、そうなのかと思ったのですが、
 
「何をやっても、途中で具合が悪くなってやり遂げられないことが多かったので、いつでも始められて、いつでも終われる砂遊びは都合が良かったんです。途中でやめてもまわりに迷惑かけないから」
 
砂遊びを、そのような観点で考えたことがありませんでした。
 
いつ始めても、いつやめてもいい。自然を相手にした遊びのいいところは、時間にしばられないし、いかようにも形を変えて遊べる点です。
 
話それます。
 
これ、大学の保育科の先生に聞いた話そのものです。「自然が素材の遊びは、不可逆性(ふかぎゃくせい)と言ってね、もとにもどせない、自分の接し方次第でいくらでも反応が変わるからおもしろいのよ」と自然素材の遊びの大切さをお聞きしました。砂遊びはまさにこれなんですね。
 

 

水や葉っぱなどもそうです。子どもが水遊びが好きな理由のひとつは、この不可逆性というものなのかもしれません。
 
智樹さんは、母親から買い与えられた知育玩具にはいっさい興味を示さなかったそうです。それよりは、動くおもちゃの中身が知りたくて、バラバラにしたいたとか。
 
おもちゃをバラバラにしたがる子、壊してしまう子。ちゃんと理由があって、探究心が旺盛といえます。むしろ、与えられた遊びではなくて、自分から遊びを作り出している点がすごいのですが、理解されずに怒られてしまうわけです。
 

智樹さんの話でもうひとつ。
 
識字障害であることがわからない頃は、自分は文字が読めないけど、まわりのみんなは自分よりも、はるかに努力して文字が読めていると思っていたそうです。
おそらく識字障害の人たちが最初に感じるには、「自分の努力不足」ということだと思います。まわりもそういう目で見るでしょう。
 

 
障害がわからないうちは、「努力不足」とだれよりも感じているのは、じつは本人です。で、「できない」→「努力不足」→「努力する」→「やっぱりできない」→「自分はダメ」という負のスパイラルに陥ってしまうわけです。
 
識字障害であることがわかって、智樹さんはすんなりと腑に落ちたそうです。
 
発達障害、学習障害が認知され支援を受けて育った人たちが、自分の口から当時を語るようになりました。これから、もっといろいろなことが、わかるようになるのではないでしょうか。
 
高梨さん親子のインタビュー、近日中にサイトにアップします。

 
 
 

トビラコ店主

 

 

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