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(昨日、配信のメルマガの記事を再掲載します)
15歳で重度の識字障害の診断された高梨智樹さんは、診断が下るまで文字の読み書きができないのは自分の努力不足と感じていました。
高梨さんにとって文字は「複雑な図形」のようであり「アラビア語」のようでもあったといいます。
「まわりのみんなも僕と同じように文字が見えていて、僕よりずっと努力をしているから文字が読めているんだと思っていました」
と話す高梨さん。父親からも「何度も書けば覚えられる」「一緒に勉強したら書けるようになる」と言われていました。
発達障害は見た目が、いわゆる障害があるように見えないため、他の人と同じようにできるはずと思われてしまうことが多いと思います。
でも努力してできることと、できないことがあります。
複雑な図形、意味のわからないアラビア語は、何回見ても覚えられるはずもありません。読むことも、書くこともできないのです。
高梨さんは病弱であったことから特別支援学校に進み、理解のある先生との出会いで人生の転機を迎えます。先生のおかげで「できないこと」を頑張るよりも「できること」を伸ばすという考えに、両親ともども変わりました。現在は、小学校時代からの憧れだったドローンの会社を父親と立ち上げています。
「ドローンで起業」というと、特別なことのように聞こえるかもしれません。でも、「努力神話」に押し潰されず、できることを伸ばした姿を多くの人に知っていただきたたいと思います。
努力してできること、できないこと。そして努力しないとできないことがあります。
児童精神科医で自閉症が専門の内山登紀夫さんは、これを自転車にたとえました。
自転車はいったん乗り方を覚えると、努力しなくてもペダルを漕いで前に進むことができます。でも、自転車に乗れることは乗れるけど、相当の努力をしないと漕ぐことができない。これが、発達障害の子どもなんだといいます。他の人が軽々とペダルを漕いでいるのに、発達障害の子は必死に努力をしてペダルを漕いでいる。だから人一倍疲れるのだと。
「努力すれば、乗れるじゃない」ではなく「努力しないと乗れない」ということです。
努力だけで解決できない問題は、努力以外の方法であっさり解決することがあります。
文字が読めない高梨さんは、小学校のころからパソコンの読み上げソフトを使っていました。
努力しないと乗れない自転車を必死で漕がなくても、自転車に乗らないで前に進む方法はいくらでもあります。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
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