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2020.10.19

「トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。

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「達成感」という言葉は、ときに魔法のような言葉に聞こえるかもしれません。
 

達成感を得ることで、子どもがやる気になるとか、達成感を得るために子どもががんばるとか。このような使われ方をすることの多い「達成感」という言葉。
 

でも、発達障害の子に「達成感」という言葉を使うときは注意が必要だと思います。
「頑張らせる」が難しいことがあるからです。
 
たとえば、目と手の協調運動がうまくいっていないのにハサミを使う練習をさせても「できるようになった」という達成感ではなく、何回練習しても「できなかった」という挫折感を味わうことになります。
 

カスタ。はさむだけで切れます。わざわざハサミを使う練習をしなくてもこのような道具で。

 
もっと、その子ができそうなところまでハードルを低くして、「ちょっと頑張る」にして、「できた」喜びを体験できるようにする。いい療育をしている人たちの話を総合すると、そうなります。
 
頑張らせることが目的なのではなくて、「できた」という達成感とともに喜びを得るのが目的。こんな話を聞いたことがあります。ある放課後デイで、簡単な手提げ袋をミシン縫いしたそうです。これもじつは療育の一環なんです。だから「縫えた」「できた」という達成感を味わえればよしとするというのが施設長のお考え。
 
ところが、職員の一人が「ここ、こうすればもっときれいに縫える」とアドバイスしてしまったそうです。思わず言いたくなった職員の気持ちもわからなくはありませんが、この指導はよろしくないと、施設長からきいてなるほどと思ったことがあります。
 

 
「きれいに縫う、上手に縫うということが目的ではないんです。自分で縫えたという達成感を得ることが目的なんです」と施設長。
 
ああ、確かに、これまで、さんざん、その子は「こうすればうまくいく」を言われ続けてきているでしょう。つまり「このままじゃダメ」ということを何かあるたびに言われてきているし、数え切れないほどのダメ出しをされているわけです。
 

自分で縫えた=ちょっと頑張ってできた。

きれいに縫う=もっと頑張らないとできない。

ということかもしれません。いい支援者のこのあたりの見極めって鋭いですよね。
 

 
 
 

トビラコ店主

 

 

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トビラコが編集した本
 
発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
 

 
 
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