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2020.11.18

「トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
 
お試しいただける商品をまとめました、こちらです。

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気持ちを言葉にして、外に出すことの大切さを教えてくれたのは、日本で唯一の治療的里親の土井高徳さんです。
 
編集者時代にお世話になった方です。土井さんは、問題を抱えた子どもばかりを引き受けて、育てている里親のプロです。心に深く傷を負った子どもたちの心のケア(治療)をして社会に送り出すことをミッションとしています。「治療」にあたり、もちろん専門的なことを学んでいて、たしか博士号をおもちだったように記憶しています。医師や心理士と連携しながらの治療です。ご自宅の敷地内に「土井ホーム」という子どもたちのための家を構え、ご自宅と「土井ホーム」とで、多いときには15人くらいの子を引き受けていました。
 

 
家庭内暴力の子、児童養護施設に見放された子、少年院を出たり入ったりしている子。虐待を受けて行き場を失った子。こうした子どもたちには、まず「治療」が必要なんだということも、土井さんから学びました。
 

 
土井さんが育てている子の中には、発達障害、知的障害の子も少なくありません。障害を理解されずに、虐待を受けていた子たちもいます。
 
そうした子どもたちが荒れているときに、「殴りたい時は、どんな気持ち?」と聞いて、言語化することもしているそうです。言葉にするうちに、次第に落ち着いてくるとか。もちろん、いつもうまくいくわけではないでしょう。でも、聴くことも「治療」のひとつ。
 
言葉にするうちに、気持ちの整理がついたり、聴いてもらうことで受け止めてもらえたという気持ちにもなれたりもするのでしょう。聴いてもらえるという体験が重要なのだそうです。
 
土井さんは、こうした日常的なやり取りの中に「治療」を織り込んでいく育て方をしています。治療が必要なほど、子どもたちの傷は深いけど、その傷に本人が気づいていないところが痛々しい。
 

 
たとえば、土井さんに引き取られた初日、お風呂に入るのに、服を脱ぎたがらない子がいました。理由を聞くと、服を脱ぐと入浴中にお金を盗られるからというのです。子どもが親の財布からお金を抜き取るということはあるかもしれません。でも、その逆です。親に抜き取られていたのでしょう。
 
自分の前に並べられたおかずを見て「これ、僕が食べていんですか?」と聞く子。それまでに、自分のためにおかずが用意された経験がないから、そんなことを聞くのです。
 

食事の話が出てついでに、とりわけ、土井さんが大事にしているのは食事です。暴言を吐いても、荒れても、自分の食事がいつも用意されている。これがどれほど子どもたちを安心させることか。
 

 
つまり、安心こそが治療につながるともいえます。言葉にした気持ちを聞いてくれる人がいる。自分のための食事が必ず用意されている。この二つがあるだけでも、子どもは安心できるんだと思います。
 
土井高徳さんはその大きな業績のわりに、意外と知られていないので、こちらにご紹介した次第。著書は、子育てしているすべての人におすすめです。
 
最も読まれているのは『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』(小学館新著)だと思います。
 

 
 
 

トビラコ店主

 

 

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小学館の子育てサイトHugKum(はぐくむ)に連載していました。
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トビラコが編集した本

発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)


 
発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)


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