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2020.12.12

トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。

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(12月12日に配信されたメルマガの一部を掲載)
 
発達障害のある女の子は、これまで十分な支援がなされませんでした。
 
男子のように目立った行動を起こすわけでもなく、一見すると何も問題がないように見えてしまうからです。学校でも家庭でも支援が届きにくいのが、目立たない、だけど、じつはすごく困っている発達障害の女の子。
 
思春期前に、自分自身をケアできるようにしておくことが大事なんですが、これもまた意外と知られていないように思います。
 

 

「空気を読めない」は誤解
 
いろいろな困りごとがあるなかで、ひとつだけあげておきます。
 
それは、まわりに過剰に適応して疲労困憊してしまうことです。
 
あれ? 発達障害といえば、「空気が読めない」んじゃないの? と思われるかもしれません。でも、ここにはちょっとした誤解があります。「空気を読みすぎて」疲れる子(人)も少なくないようです。
 
空気を読みすぎる。つまり、まわり(社会)の期待に過剰に応えようとして無理をしてしまう。もともと、自分の疲労を自覚しにくいという特性も持ち合わせているので、体がダウンするまでかんばってしまうのです。大人の発達障害の女性にはよくみられる現象です。
 
たとえば、家族全員が発達障害で『うちの火星人 5人全員発達障害の家族を守るための”取扱説明書”』の著者平岡禎之さんの長女(自閉症スペクトラム症)がいい例。
 
ママ友たちとのパーティで、準備万端整えて、ものすごく気を使ってもてなす長女。気を使いすぎてぐったりして、パーティが終わると熱を出して1週間(!)寝込んでしまう話がでてきます(『 続 うちの火星人』)。
 

 
小さいうちはどうなのでしょうか。無理にあわせようとして失敗した女の子の話を聞いたことがあります。
 
「(友達づきあいは)いつもニコニコしていればいいのよ」と母親に教えられて、笑ってはいけない場面でニコニコして、仲間外れにされたそうです。
 
空気を読みすぎて疲れてしまう人のなかは、じつは、小さい頃に、この女の子ような失敗があるのかもしれません。突拍子のない言動でまわりから引かれてしまった、だから空気を読みすぎてしまうという人もいるかもしれません。専門的には、もっと違う解釈があるのかもしれませんが。
 
空気を読む、読めない、読みすぎる。これは目に見えないので、見過ごされます。支援もまた難しいと思います。おそらくソーシャルスキルトレーニングでなんとかなる問題ではないでしょう。
 
空気を読みすぎると自分が自分でいられなくなってしまいます。
 
どこかで自分を取り戻せるようにしないと。その子らしくいられる場を、親が見つけてあげることも大事ですよね。
 
最近は、思春期の当事者同士の集まりなどもあるようです。実際、このような場所で、気兼ねなくおしゃべりしている当事者たちはとてもイキイキとしています。

 


 

「緊張しない」体験を
 

もうひとつ。大事にしておきたいことがあります。
 
それは、自分の心と体の変化を自覚できるようになることです。
 
自律神経の働きがうまくいかないために、発達障害の子の多くは体調不良になることがあります。体がつねに緊張状態にあるのもそのひとつ。
 
緊張しているのが「いつもの自分」「いつもの状態」になってしまっているわけです。緊張をほぐしたときの「快感」を体験して初めて「自分の緊張状態」に気づくことができます。
 
ある放課後等デイサービスでは、アロマを使って緊張をほぐす療育をしています。
 
好きな精油(エッセンシャルオイル)を垂らしたお湯に、手や足をつけた手浴や足浴で「わ~、気持ちいい!」と歓声をあげている女の子たち。彼女たちは、自分の体の変化に気づくのが苦手。手足が氷のように冷たくなっても、それがあたりまえと思っているのです。でも、手浴、足浴をすることで「あたたかくて気持ちの良い」世界を知ることができ、同時に自分たちがいかに冷えきっていたかを自覚できるようになります。
 
アロマオイルを使ったマッサージをされると「体がこんなにラクになる」体験を通して、いかに自分たちの体がこわばっていたかを自覚します。
 
アロマはひとつの例ですが、自分自身をラクにしてあげる手段をもつことが、生きやすさにもつながります。
 
話をまとめると、思春期前に身につけておきたいポイントは2つ。
 
1)自分らしくいられる時間や場所を確保しておく。
 
2)自分の心と体の状態を自覚でき、ケアできるようにしておく。

 

 

思春期以降、待ち受けている進学、就職、結婚、家事、子育て、そして一手に担うことになるかもしれない仕事・子育て・家事、人によっては介護。
 
こうして書き出すだけでも女性のライフステージの変化は、男性に比べて激しいといわざるを得ません。
 
発達障害の特性でもある、うまく調整できない自律神経、そこに加えて女性ホルモンの影響で心身のバランスに支障をきたします。
 
自分の心と体の状態を自覚できずケアできないでいると、うつ病などが発症しやすくなってしまいます。
 
生きづらさを少しでも軽減するため、思春期前に、自分らしくいられること。自分をケアすることを習慣にしてほしいと思います。
 

参考資料:発達障害のある女の子・女性のアロマセラピー(久保浩子、日本アロマセラピー学会誌)

 
 
 
 

トビラコ店主

 

 

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小学館の子育てサイトHugKum(はぐくむ)に連載していました。
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発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)

発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)


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