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わからないことを「わかりません」と言えなかったために、居心地の悪い思いをすることがあります。
軽い知的障害の子(人)は、おそらくそれがひんぱんに起きているんじゃないでしょうか。
弟は軽い知的障害、IQ85なので境界線というのでしょうか。でも最近知ったのですが、このIQはあてにならないそうですね。テストした時の環境や心理状態にかなり左右されるからです。この話は別の機会にしますが、弟はやはり知的に遅れはあります。
職場も何度か変わっています。おそらく、理由のひとつは、「わかりません」「教えてください」が言えなかったことだと思われます。
障害者枠で就職することを嫌がり(この気持ちもわかります)、一般就労してしまったために、当然、知的障害のない人扱いです。だから、苦労したと思います。相手の話がよくわからなくても、「わかった」ふりをしなくてはならないからです。
よほど障害に関心がある人でない限り、相手が軽い知的障害かもしれないとは思いません。「物覚えが悪い」「人の話を聞いていないヤツ」とみなされてしまいます。

「わからない」「できない」「手伝ってください」を言えるようになることが、結局は自分も大変な思いをせずにすむことを、小さいうちから学べるといいんですけどね。
少なくとも家庭では「わからない」「できない」を責めないことだし、助けを求めれば自分も助かる体験は、絶対に必要だと思います。わが家の場合だと、母は「努力すればできる」「頑張ればできる」と思い込んでいたので、弟にとってキツかったと思います。もちろん、頑張ってできたこともあるので、一概にはいえませんけどね。なので、いまでも、弟は母には「教えて」「手伝って」は言いません。大人になった今は、母が知らないことを責めたりもします。つくづく子育てというのは、育てた通りになると思いますね。されたことを、そのままします。
逆に、私には、どんな細かいことでも聞いてきます。「お姉ちゃん、リスペクトってなに?」ということから、「〇〇の書類は実印押すの?」みたいなことまで。「来月の家賃が払えないから貸してほしい」と頼まれた時には関心しました。
あ、大丈夫だ。困った時に、何に困っているか、誰に頼んだらいいかがわかっていると思ったからです。もちろん、貸しました。

クリスマスプレゼントは私には毎年欠かさず贈ってくれる弟ですが、母には贈りません。母はそれが不満のようですが、私にはなんとなくわかる気がします。
今の職場では、弟は自分が知的障害であり手帳も持っていることを伝えて働いています。「障害があるように見えない」と言われてなんとなくうれしそうだったのですが、私は全然うれしくなかったです。だからこそ、これまで大変だったんだよと心の中では思いました。ともかく、障害を伝えたことで、おそらく働きやすくなったのでしょうね、長続きしています。会社も大事にしてくれているのはとてもありがたいことです。
軽い知的障害、発達障害など見た目にわからない障害を抱えている場合は、まわりに伝えたほうが本人はラクになります。もし、それで差別的な扱いを受けるようなら、そういう職場は早々に去った方がいいように思います。「障害者差別解消法」に違反しているという観点から、会社に改善を求めることもできます。法的なことはよくわからないという場合、法務省の管轄である法テラスに相談してみるのもおすすめです。「法テラス」に電話をすると、相談内容を聞かれ、相談内容にふさわしい弁護士を紹介してくれます。いま、ホームページをみたら、悩み別にでていますね。相談は無料です。
トビラコ店主
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小学館の子育てサイトHugKum(はぐくむ)に連載していました。
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)






