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まえまえから気になって言葉に「健常児」があります。
どうしても馴染めない言葉です。同じように考えている編集部があって、「健常児」という言葉を使わないというルールを定めていました。
言葉の使い方や文字の表記について、新聞社や出版社などは各社ルールを設けています。新聞社をそのルールを1冊のハンドブックにまとめています。
たとえば、文字表記なら、「子ども」、「子供」、「こども」のどれかに統一するといったように。読む側はあまり気づいていないかもしれませんが、表記が統一されていることで読みやすくなります。
文章の1行目に「子ども」、2行目は「子供」、3行目が「こども」なら、さすがに読んでいて気になりますよね。
出版社の場合、文字の表記は各編集部で決めていることが多いです。ある編集部では「子供」、別の編集部では「子ども」というように。
余談ですが、「子供」を使わない編集部に理由を聞いたところ、「供」は、子どもをお供(とも)として従わせているイメージがあるから、というのです。うん? 複数の「ども(野郎どものような)」を「供」に当てはめたんじゃないかしらんと思って「新明解国語辞典」を引いたら、やはり、もともとは複数だったとのこと。そもそも、辞典には【子供】と表記されていました。なので、文字表記はあくまで編集部の見解ということです。
あとは、当然ながら差別的な表現はダメですよね。差別的な言葉の定義は時代ととともに変わりますが、差別を助長するような表現は、少なくとも新聞や雑誌のような公の読み物ではアウトです。テレビだともっと厳しい。テレビは視聴者の数が紙媒体とは比べものにならないくらいに多いからです。それだけ影響力があるということです。
漢字表記だけではなく、言葉のルールにも、編集部の考え方があらわれています。
最初に戻りますが、「健常児」。この言葉自体は差別表現ではありません。でもわが子になんらかの「障害」を抱えて人はどう感じるでしょうか。障害のあるなしをピシッと線引きするような、排除の匂いを感じてしまう言葉です。インクルーシブ(だれも排除しない)の時代にそぐわない言葉と感じる人たちもいるでしょう。インクルーシブの時代に先んじて、使わない決めた編集部の見識の高さに感心しました。
「何を言わなかったか」、「絶対に使わない言葉は何か」で、その人の考え方がわかるのと、似ているかもしれません。
トビラコ店主
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『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
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