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手先が器用でない。箸がうまく使えない。
自閉症の幼いわが子の食事作法を気にする母親に、先輩母が言いました。
「あなた知っている? 世界の半数以上の国が食事を手で食べる文化なのよ。神聖な食べ物は、道具を使うより手で食べた方がいいと考えられている国だってある。手をきれいに洗っていれば、手で食べたって何も問題ないんじゃない? 自閉症の子が大きくなっても手づかみしている人はほとんどいないから(後略)」
また、別の場面で。横一列に並ぶ子どもたちの後ろで絵本を読んでいるわが子の写真を見せながら、集団に溶け込めないわが子の悩みを話すと、自身も自閉症スペクトラムの先輩母が言いました。
「この一列に並んでいる子たち、本当に不思議ねえ。どうして同じ格好して歌ってるのかしら? 後ろで本読んでいる方がよっぽど楽しいのに」
このように言われて、自閉症の子の母親は衝撃を受けます。思いもよらぬ見方が新鮮であるのと同時に、自分が「健常児の視点」でしか、わが子をみていなかったことに気づかされます。
『発達障害に生まれて 自閉症時と母の17年』(松永正訓著 中央公論新社)に出てくる場面です。
先輩母たちに衝撃を受けた母親は、立石美津子さん。自閉症をテーマに執筆や講演など活躍している方です。いまは、立派に活動している立石さんにも、このような時代があったんですね。
「健常児の視点」。これは抜き難く、障害のある子の親なら多かれ少なかれ持っているのではないでしょうか。他の子と比べるなと言われても無理なのかもしれません。でも、自分の中にある「健常児の視点」を意識するだけでも、わが子をみる目が変わってくるのではないでしょうか。
必要があって、久しぶりにパラパラとめくったこの本。そういえば、こんなことも書かれていたなあ、とご紹介した次第です。
障害のあるふたりの子のわが母もまた「健常児の視点」に悩まされ続けてきた口です。でも、「〇〇(子どもの名前、私のきょうだいでもある)には、〇〇の人生があるもんね」と言うこともあります。こういうときは「わが子の視点」として考えられているときなんでしょうね。娘としては、ほっとする瞬間です。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)