トビラコへ、ようこそ
~店先で、ちょこっとおしゃべり~
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3時間近くにわたってインタビューを受けました。6月に発売される雑誌に掲載されます。
あるテーマの特集で、tobiracoもその特集に登場することになり、インタビューを受けたのでした。
立ち上げてまだ5年のtobiraco。ためになる話はあまりできなかったのですが、インタビューされながら、そういえば、と思い出したことがいくつもあります。
16年くらい前のことです。発達障害の子をもつお母さんたちに会って話を聞かせていただいた時期がありました。
「発達障害」という言葉が、いまほど流通しておらず、「子どものわがまま」「親のしつけのせい」と、心ない言葉が飛び交っていた時代です。
本当のところはどうなのか。
当時、子育て本や子育て雑誌の編集をしていた人間として、発達障害の子のお母さんたちの声を直接聞いてみたいと思いました。
人のつてを頼って、何人かのお母さんと会うことができました。実際にお会いすると、どのお母さんも「子どもをしつけることのできない親」とはほど遠く、まじめで熱心に子育てしている人たちばかりでした。
あるお母さんは、子どもが初めての場所に行くとパニックになると気づき、予めその場所を写真撮影して前の日に子どもに見せていました。いまなら、よく知られている手法ですが、当時の私は意味がよくわかりませんでした。
子どもに見せたという写真には、診療所の玄関、靴入れ、ドア、入り口に置かれていた陶器の犬の置き物、途中の道などが写っていました。なぜ、この写真を前の日にみると、子どもがパニックを起こさないのか不思議でした。今になってみると本当によくわかるし、そのお母さんの気づきと工夫には改めて脱帽します。
手先が器用でない娘のために、紐をひっぱると傘が開くように独自の工夫をしていたお母さんもいました。制服のリボンが結べないからと、貼り付けるだけのリボンを作ったりもしていましたね。
娘さんは学習障害ですが、知的な能力に問題はありません。自分にあった学習法を身につけて勉強ができるようになりました。親子ともに喜んでいたのも束の間、それまで「勉強ができない子」と思われていた娘さんが「勉強ができる子」になると、まわりから嫉妬されて壮絶ないじめにあいます。
とてもこの子たちと同じ中学には通わせられないと考えたお母さんは、娘さんを私立中学に入れることを思い立ちます。11月のことでした。受験まで3か月しかありません。
しかし、同じクラスの子と同じ中学に入れば地獄の日々が待っています。親子ともに必死だったのでしょうね。お母さんがつきっきりで勉強を教えた結果、見事合格。すると、周りのお母さんたちから、うちの子の家庭教師になってほしいといわれるようになります。その中には、いじめた子の親たちもいたそうです。でも、お母さんは娘をいじめた親たちをうらむことなく、こう言いました。
「娘がどのようにしたら理解できるかは、毎日見ている私だからわかるんです。でも、他のお子さんは、そこまで見ることができないので教えることができないんです。ごめんなさいね」
つまり、学習障害の子は決して「勉強ができない子」なのではなく、自分にあった勉強の仕方をさせてもらえていないということです。私立中学に入った娘さんは、英語の成績が学年でトップになったそうです。
いまでこそ、「合理的配慮」のもと、その子にあった学習法で学ぶように文部科学省は推進しています。それができている学校が少ないことは、また別の話。でも時代は確実に学習障害を含め発達障害の子への配慮が必要という方向に向かっています。
あれから16年。あの時代に、お目にかかって話を聞かせてくれたたくさんのお母さんたちの声もまたtobiracoを立ち上げた原動力になっているように思います。どこに向かってお礼を言っての良いのかわからず、こちらに書き記しました。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)