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ペアレントトレーニング(通称ペアトレ)は、障害のある子へのかかわり方を学ぶことです。
「トレーニング」は日本語にすると「訓練」です。でも、訓練のようなマッチョな感じではなくて、子どもにとって良きかかわり方を身につけるくらいの感じではないでしょうか。
ペアトレは専門家による講座があります。正直言って、中身はピンキリのような気がします。自治体が行っている無料の講座から高額の受講料をとる講座まであります。
興味があるけど、敷居が高いと感じている人におすすめの本を見つけました。
『発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング 親も保育士もいつもではじめられる・すぐに使える』(金沢こども医療福祉センター 小児科上野良樹・作業療法チーム著 ぶどう社)です。
良書です。わざわざ出かけなくても、家庭にいながらペアトレができます。
私は、こうした本を手にしたときに、必ず「はじめに」を読むことにしています。「はじめに」を読むと著者の思いがよくわかるし、本を読んでいても、なぜ、著者がその方法をすすめるかがよくわかるからです。
著者の上野良樹先生が述べている「はじめに」の一部を引用します。
障害を数値で表すことはできないと前置きしながら、次のように述べています。
子どもの行動は、環境によってとても左右されます。園のような集団と、家庭のような個ではまったく異なることもめずらしくありません。
そんなふうに考えると、発達障害という診断に絶対的なものはないことを理解しておく必要があるかもしれません。
(『発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング 親も保育士もいつもではじめられる・すぐに使える』より)
医師でありながら、診断に絶対的なものはないと言い切っています。環境によって、子どもの行動は変わる。だから、子どもへのかかわり方の方法を身につけるペアトレが必要というわけです。
子どもを変えるのではなくて、かかわる人が変わる。そのことによって、子どもの行動が変わる。これがペアトレなんだと思います。
本書は、金沢こども医療福祉センターで作業療法士が行っている早期療育にペアトレを組み合わせたものが紹介されています。
理論とすぐに実践できる方法の両輪です。
たとえば、
おもちゃで遊ぶのに夢中な子に、「ごはんだよ」と呼びかける場面。
何度か呼びかけた時、子どもが自分でおもちゃを片づけて、食卓についたとします。どのように言葉をかけるか。これもペアトレです。
1)「ひとりで片づけできたね」「ごはん食べよう」と声をかける。
2)「何度呼べばくるの、はやく食べなさい」と声をかける。
1)は、「できた部分(ひとりで片づけができた)」を注目することで、「片づける」という行動がよきこととして「強化」される。
2)は、「できない部分(何度呼んでも来なかった」を注目されると、「自分で片づけよう」という子どもの気持ちが、「消去」される。
なるほど、これは日常的によくある場面です。1)も2)も同じように、「自分で片づけて、食卓についた」ことに変わりはありません。でも、どこに注目するかで、子どもの受け止め方も、その後の行動も変わるということなんですよね。
単なる「言葉かけ」のノウハウではありません。子どものどこに注目するか。ここが大事な点です。本書では「注目名人になろう」として、章立てされています。
「片づける」=良き行動として注目されれば、その行動がクローズアップされて、子どもに良きこととして、自分からまた片づけをするようになるでしょう。
このように、日常的な場面を例にとって、解説してくれるので、すぐに役立ちます。いつもでも、始めることができ、保護者と子どものペースにあわせてできます。
上野先生は、「はじめに」で次のようにも述べています。
たいせつなことは適応行動、言いかえれば子どもたちの体験を成功体験に導くことであり、失敗体験を重ねてしまうことによる二次障害を防ぐことです。(引用終わり)
子育て指南の本でもあります。さらには、親自身が知らずに変わっていく本ともいえます。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)