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『発達障害 僕にはイラつく理由(わけ)がある』(かなしろにゃんこ著 前川あさ美監修・解説 講談社)を、人にすすめられて読んでいます。
おもしろくて、ほんとタメになります。
著者のかなしろにゃんこさんは、漫画家。発達障害の息子さんが二十歳になって、当時を親子で振り返り、発達障害あるある案件ごとに、専門家が解説してくれます。「当事者が語るあの頃のこと」が、いまの発達障害の子どもたちを理解するのにすごく役立ちますよね。
読み進むうちに、なるほどマークがいっぱいついてしまいます。
片づけは、発達障害のある子の多くの親にとって悩みのタネではないかと思います。
置き忘れ、出しっぱなしという現象。
これも、二十歳になった息子くんの話す、そうなる理由がもっともだし、よくぞ言語化してくれたと思いました。
置き忘れ。これは、ものを置くときに別のことをあれこれ考えているから、忘れてしまうのだそうです。
頭の中は別のたくさんのことを考えているため、置くという行動が無意識になってしまって、どこに置いたかを忘れてしまうわけです。
まさに私のことのようです。置き忘れではないのですが、別のことで頭がいっぱいで、やらかす失敗という点では、まさに私自身がそうです。
たとえば、朝のコーヒーを入れるときに、水を入れないままコーヒーメーカーのスイッチをいれてしまって、コーヒーがいつまでたってもできないとか。ポットにコーヒーが入っているのに、また入れてポットからコーヒーが溢れ出したりとか。こうしたことが繰り返し発生します。
朝、コーヒーをいれている時の私の頭の中は、本日の仕事の手順、連絡しなくてはならない相手のこと、メール返信の優先順位、新発売する商品の展開の仕方、小さいながらも会社の売り上げ向上作戦などなど、たくさんのことが頭の中を渦巻いています。そんななか、コーヒーメーカーに水をいれたかどうかなんぞ、頭の隅っこから追い出されてしまうのです。
繰り返しの失敗で学んだことは、コーヒーを入れることに集中することでした。「水を入れた」と口にだすこともあります。こうすることで、今していることを意識して集中できるようになります。ちょうど、運転士が指差し確認しているようなものですね。
漫画の息子くんの置き忘れは、カギが多かったのです。カギにチェーンをつけることで、置くときに「ガチャ」と音がするので、「置いた感」を意識できるようになったそうです。
出しっぱなしについて、息子くんは、「見えなくなると不安」という趣旨のことを話しています。
出しっぱなしではなく、目の前に置いておきたいということなんですよね。
これも、よくわかります。散らかっているように見える部屋でも、本人にとっては「散らかり」ではなく「持ち物を見える」ようにして安心しているんだと思います。
発達障害のご夫婦の家に遊びにいったことがありますが、ここのお宅も、いわゆる散らかっている状態なんですが、なんでも、魔法のように必要なものを取り出していました。
散らかっているけれど、妙に落ち着いてあたたかみのある部屋でした。不衛生という感じもなかったです。寝るところもちゃんと確保されていました。
むしろ、きれいさっぱり片付いていると、この夫婦は落ち着かなくなると思います。
「片付いた部屋が気持ちがいい」というのは、多くの人が持っている感覚かもしれません。しかし、「片付いた部屋」は「片付けられてしまったものが見えない部屋」「ものを探さなくてはならない部屋」でもあります。「見えないと不安」と感じる人には落ち着かない部屋なのです。
トビラコ店主
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『PriPriパレット』(世界文化社)にトビラコ店主の「ちょっとためしてみませんか!」連載中
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【発達障害の子の小学校入学】学習につまづかない「ノート・日記・下じき」選びで工夫しよう!をアップ!
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『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
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