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小学館の子育てサイトHugKum(はぐくむ)に
発達障害の子の学びは道具でサポートできる!読み書き困難をラクにするBest5をプロが厳選をアップ!
『ソトコト』7月号の特集「ウエルビーイング入門」でtobiracoが取り上げられました。
『PriPriパレット』(世界文化社)にトビラコ店主の「ちょっとためしてみませんか!」連載中
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「不幸」自慢できる友人がいる人は幸せで、マウントしあう友人しかいない人はつらいだろうなと、独断と偏見で思っています。
不快になる人がいるかもしれませんが、そう思ってしまうので仕方がないです。
障害のある子をもっている親同士でも、マウントしあうと、ろくなことになりません。自分の子のほうが、あの子よりましとか。自分の子より劣っていると思っていたあの子がいい学校に通ってモヤモヤするとか。「比べる」ことでしか、自分の子の良さを確認できない世界の行き着く先は不幸です。
マウントし合う世界は、助け合いが生まれにくいように思います。いかに、自分があなたより優れているかということを直接に間接に言い合うわけですから、助けようという人はいない世界です。
そこへいくと、「不幸」自慢は、「うちの子がどれだけ大変であるか」「いやいや、うちのほうが、もっとやらかしてくれるとか」と言い合っていると、みんな悩みは同じ、助け合おうという気持ちになれます。ただし、ここでも「うちの子の方がまし」と思ってしまうのは隠れマウントなので、やはり助け合いはうまれないでしょうね。
たびたび、こちらで紹介している、NPO法人調布心身障害児者親の会の会長の進藤美左さんは、書籍で次のように述べています。
療育施設でたまたま出会った親たち(のちに仲間となる)同士の初対面で会話です。
〜最初は皆だまっていたが、いったん話始めると、だれもが身を乗り出して話した。そして、「どんな悪いことをしてバチがあたったのか」と、みんなが口々に言い始めた。「私は本当にまじめに生きてきたのに」「なんでうちの子だったのか」と。
それぞれ子どもの障害も違う、年齢も家庭環境も違う、互いによく知らない母親たちがほぼ同じことを考えていたことに驚き、なんだかおかしくなってしまった。泣きながらもこの時、初めて笑えた。またよく知らないお母さんたちだったが、これは「仲間」なのだと、心から安心したからかもしれない。
それ以来、わが子が「やらかした」事件は、みんなが爆笑してくれる「ネタ」となった。干したばかりの布団の上にぶちまけられたポテトチップスのかけらや、台所の床にきれいに塗り広げられたサラダ油を発見して半泣きになりながらも、これを誰に聞いてもらおうかと、ちょっぴり楽しみしている自分がいた。
(中略)
一緒に散歩をして「ああ、この橋よ! ここからこの子と飛び降りたら全部楽になると思った場所だわ!」といいながらゲラゲラ笑ったり(普通の人にこんな話をしたらドン引きだが、みんな平然と、あるある、と笑ってくれる)。お互いの子がやらかした「事件」のひどさを競い合っては、また爆笑する。困っている仲間がいると集まって会議を開いたり、過労で入院した人がいれば、その兄弟の保育園に交代で迎えに行ったりした。ここで得たのは「運命共同体」のような友だちでもあったが、同時に、「自分は無力な存在ではない」「支え合って、自分たちの力で生きていける」という感覚ではなかったかと、今は思っている。
(『発達障害の子を育てる親の気持ちと向き合う』(中川信子編著
金子書房)
マウントし合う親たちは、不幸自慢ができないし、助け合うことができないと思うのは、こうした理由からなのです。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
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