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2021.07.18

トビラコへ、ようこそ

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。
 
【お知らせ】
ソトコト』7月号の特集「ウエルビーイング入門」でtobiracoが取り上げられました。
 
PriPriパレット』(世界文化社)にトビラコ店主の「ちょっとためしてみませんか!」連載中

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障害のある子もない子もおなじ教室で学ぶインクルーシブ教育について。
 
阿部利彦先生(星槎大学教授)は、「成熟していないうちは難しい」という発言をされていました。
 
阿部利彦先生は、長年にわたり、幼小(中学も?)の巡回相談もされていて、障害のある子の現場をつぶさにみてきた人です。私も雑誌編集者時代に随分お世話になり、当時教えていただいたことの意味が、今になってわかるようになりました。
 

「インクルーシブ教育」を標榜する学校で、たとえば、こんなことが。先生の前では優等生を演じている子が、だれもいないところでは障害のある子をいじめている現場を、阿部先生は目撃しています。そばに、阿部先生が立っていると「あっちへいけ」と、教室でみせるのとは打って変わった態度をとるとか。
 
あまり、愉快な話ではありませんが、こうした現場を見てきている阿部先生だからこそ、インクルーシブ教育がお題目だけにならないようにしてほしい、もっと成熟してほしいということを説得力をもって言えるのです。
 
成熟しているインクルーシブ教育とは、障害のある子への配慮が、あたりまえの環境として受け入れられることがあげられるでしょう。障害のある子がいじめを受けることのないように、教師やまわりの大人が注意深くアンテナをはっていることも、また成熟するためには必要だと思います。
 
では、インクルーシブ教育が、きちんと機能している学校かどうかをどこでみわけたらいいのでしょうか。
 
障害のある子もない子も受け入れている学校へ入学させたいと考えている方に、参考になる話をTwitterでみつけました。
 
野口晃菜さんのTwitterです。野口さんは、インクルーシブ教育の研究者として、「障害科学」の分野で博士号のある方です。やはり現場をよく知り、文科省にも提言されています。
 
その野口さんが現場を通って感じていることを、Twitterで報告していました。以下、野口さんのTwitterより。
 
以前問い合わせたことのある私立学校、「共生」や「インクルーシブ」を謳ってたから「障害のある子どもに対してどんな配慮の実績がありますか?」って聞いたら「うちは障害のある子どもにもない子どもにも平等に同じ対応をして特別なことをしてません」って言ってて、「あー・・・」ってなった。

 
こういうところは結構多いので「共生」や「インクルーシブ」を掲げているところには、個別の計画があるか? 合理的配慮の実績は? などを確かめた上で検討するようにおすすめしている。
 
これは学校のみでなく、学童などでもよくある。多様な子どもがいることを前提に学校を作ろうとしているのは良いが、障害などのマイノリティ性に関する知識やノウハウを誰も持っておらず、結果学びや情報へのアクセスが保障されていない。「どんな学び方でもいいよ」と言っているがガイドはゼロ。
 

(中略)
 
公立学校でも最近よくある。
「うちの学校は特定の子どもが立ち歩いていても誰も何も言わない。それが自然だから」と「寛容さ」を演出しつつ、結果その子の学びへのアクセスに対して誰も責任を追っていない。自由な雰囲気や強制的な関わりがないのは良いが、「放置」はインクルーシブではない。

 

「うちは障害のある子を特別扱いしていません」「うちは誰でもが自由に学べます」「うちは周りの子がどんなことしていても受け入れていて気にしません」あたりは要注意ワード。
 

野口晃菜さんは、いまのLITALICO(リタリコ)の立役者のひとり。何度かお目にかかったことがありますが、人間としてもとても素晴らしい方だと思いました。こういう方が、インクルーシブ教育にかかわっていることは、大きな希望となります。
 
インクルーシブ教育は、どの子も平等に学ぶ機会を得るために、大人が何をするかを問われています。決して、野放図の「自由」ではなく、人として成長できる機会を子どもに作ることができる場でもあると思います。

 

 

 

トビラコ店主

 

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