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2021.08.05

トビラコへ、ようこそ

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

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なぜ何もかもうまくいかない? わたしは「境界知能」でした。は、身につまされるドキュメンタリーでした。

「境界知能」というのは、IQの平均的とされる領域と、知的障害の領域の境目、まさに境界の知能。具体的にはIQ70〜85未満位。専門家の間ではこのあたりの領域
を「境界知能」と呼んでいるそうです。
 
IQで測ることには、賛否両論あることでしょう。でも、この番組に登場する及川菜穂さん(57歳)が歩んできた人生は、まさにこの領域に属していたからこその苦労の連続だというのはよくわかります。
 
わたしの弟もまさに及川さんと同年代で、IQは85。通常級から外された口です。この年代は、特別支援教育という言葉すらなかった時代に学校教育を受けています。仮にあったとしても、ごく一部で専門家の間でだけ使われていたにすぎません。支援がおおざっぱでした。肢体不自由も知的障害も自閉症も、同じクラスで学ぶことが珍しくなかった、そんな時代です。いわゆる「境界知能」の子どもたちは、支援の手からこぼれ落ちたまま社会に出てしまいます。もちろん、その時代には「就労支援」もありません。いきなり、一般就労です。
 
及川さんは、社会に出て大変な苦労をされます。
印象に残っているのは、パン屋さん。カタカナの多いパンの名前がなかなか覚えられずにミスを繰り返して、やめざるを得なくなってしまいました。
 
昔のように、パンの種類もなく、アンパン、ジャムパン、クリームパンくらいだったら、及川さんも勤めることができたかもしれません。でも、今の時代はそうはいきません。何語だかわからない、カタカナ名のパンが増えています。あきらかに及川さんの特性にあっていない職場を選んでしまったわけです。
 
特性にあっていないことをさせられると「努力不足」と周囲から見られ、自身も「努力が足りない」と思い込んでしまいます。もし、及川さんが、ご自分の特性にあった特別支援教育を受け、合理的配慮の行き届いた職場に勤めることができていたらと思うと、やるせない気持ちになります。
 
だた、この年代の、いわゆる「境界知能」の人は、弟も含め「障害者枠」の就労に抵抗がある人が多いと思います。「障害」に対する偏見が強い時代に育ってしまったこともあって「障害者枠」に入りたくないという気持ちがあるように、弟を見ていると思います。
 
特性を尊重した特別支援教育や合理的配慮の必要性を、ますます強く感じた話でもありました。

 

 

トビラコ店主

 

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